相原高校(折笠初雄校長)の環境緑地・土木科は、相模原市内の異業種の中小企業が集ったさがみモノづくり研究会(石川龍二会長)と連携して、古畳のリサイクルを利用した屋上緑化を研究、この程4年間にわたって取り組んできた成果をまとめ、その有効性を発表した。
相原高校はこれまで、ブランド牛の開発、地域の公園設計など、産学連携での実践教育を率先して授業に取り入れている。そうした中、「環境教育の教材として価値が高い」と、モノづくり研究会からの提案を受け、2009年8月から、取り組んできたのが古畳を利用した屋上緑化の実用化だ。これは廃棄される古畳を再活用し、太陽光、雨水などを利用した地球環境に配慮した屋上緑化のありかたについて協同で研究したもの。4年間で、延べ40人強の生徒が携わってきた。
研究は、屋上に見立てた屋根施設を相原高校内に設置。広さ15畳ほどの敷地に古畳を敷き、そこに「フウチソウ」「シバザクラ」「カワラナデシコ」「ユキヤナギ」など、14種類の草や低木を直接植栽。使用時と未使用時に、施設の下の温度変化などを調べた。
調査結果では、真夏で約1・6度の冷却、真冬で約3度の保温効果があることが判明。その他に、植物が育っても古畳の重さがほとんど変わらないなどの実用性が認められた。生徒を指導した伊藤文喜教諭は「実用化の可能性が広がる。屋上緑化のグローバルな利用と普及に向けた取り組みの一つとして役立てられたら」と分析している。この研究成果は、専門家の助言を得て、技術報告としてすでに日本緑化工学会へ提出されている。
研究に携わった3年の大辻樹さんは「本来は捨てられる古畳が屋上の緑化に利用できるのはすごいアイデア。ぜひ実用化ができれば」と話している。相原高校では今後も授業の教材として、研究を続けていく方針。
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