相原地区を拠点とする地域劇団「笑吾座(わらわれざ)」(高橋正夫座長)が今年春に旗揚げされ、6月から本格的な活動が始まった。地域の人たちに芝居を楽しんでもらい、地元を舞台にした作品を作りあげることでその歴史や文化を知ってもらうことを活動方針に掲げる。来年4月に相原公民館でお披露目公演が行われる予定だ。
同劇団の基となったのは、相原公民館の成人学級。地域の人たちの生涯学習の場として、自然観察会や凧作りなど様々な活動を行う中で、「地域の人たちと一緒に楽しめれば」と芝居にも取り組み、公民館や地域の老人会などで発表会を行っていた。しかし、芝居をやるには準備や練習に時間と労力がかかることから、芝居の分野を独立させる形で、有志で同劇団を立ち上げることとなった。
旗揚げメンバーは、35歳から82歳までの男女11人。「芝居をやるのは楽しい。シニア世代も多く、セリフを覚えることで脳の活性化にも繋がるし、健康にも良い。仲間とひとつのことを作り上げる連帯感を楽しみたい」とメンバーの酒井栄治さん。旗揚げ後の初公演は、来年4月に改修工事が完成予定の相原公民館で、そのお披露目を兼ねたイベントの中で行う予定だ。
吉野宿を舞台に名作を
初公演の演目は、劇作家・長谷川伸の名作『関の弥太っぺ』。成人学級の頃から、台本の制作・演出を手掛けてきた石川茂夫さんが、原作をもとに吉野宿(藤野地区)を舞台にアレンジして脚本を書き上げた。現在はメンバーで定期的に集まり、その脚本の読み合わせや大道具づくりなど、初公演に向けて稽古や準備を行っているという。作品の主人公である「関の弥太郎」を演じる酒井さんは「4部まであるので台本の読み合わせだけでも大変。ここに動きが入ってくるから頑張らないと」と話す。
小学校などでの公演も目標に
これまでは、成人学級の中で取り組んできたこともあり、稽古などは相原公民館を利用できたが、8月から公民館が改修工事に入り施設が使えなくなる。そのため、稽古場所や道具の保管場所の確保が喫緊の課題。さらに、現在11人のメンバーがいるものの、『関の弥太っぺ』の配役は12人。シニア世代が中心で、各々に事情があり、集まりにくいことから、若手のメンバーを増やしていくことも課題に挙げている。
高橋座長は「渡世人の世界を表現した作品で、舞台は吉野宿。『昔はこうだった』とか、歴史や文化を感じてもらえるような内容にしていきたい。公演はまだ先ですが、年配の方から若い人まで楽しんでもらえる公演にし、地域の小学校や高齢者施設などでも披露できるような活動をしていきたい」と話している。
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