8月15日で太平洋戦争終戦から70周年を迎える今年。自ら経験した戦争の悲惨さを次代に語り継ぐ人が徐々に減っている中で、「埋もれさせてはいけない」と活動を続けている柳川靜徳(やすのり)さん(82歳/川尻在住)。大きな節目となる今年に平和への思いを聞いた。
柳川さんが終戦を迎えたのは、現在でいう中学1年生のころ。「米軍機が空を飛び交い、機銃掃射も受けた。危険と判断され、小学校の修了式は中止となってしまった」と振り返る。戦争中は農家の手伝いや木材となる木の育成などを行い、教室での授業はほとんどなかった。特に過酷だったのは食料不足。玉音放送を聞いたときは、「これでちゃんと食べ物が食べられるようになるのでは」との思いが胸に溢れたという。
柳川さんはこうした体験を、近隣の相模丘中学校をはじめ、市内の小・中学校で語り継いでいる。「戦争の歴史を知ることで平和の尊さを考えるきっかけとなってほしい」との願いからだ。また、2012年には代表を務める同世代共栄会として「戦中戦後を歩いた学童達 記憶をたどる手記」を上梓。自身を含めた90人の戦争体験談がまとまった一冊を、「戦争の悲惨さを歴史として残してほしい」との思いから自身が中心となって、3年掛かりで製作した。この本は市内の小・中学校、公民館、図書館に寄贈されている。
「平和も長く続くと当たり前になってきてしまう。70周年という節目に、改めて『平和への感謝』を訴えていきたい」と話した。
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