刑務所や少年院を出所した人たちの社会復帰を支援する相模原緑保護区保護司会(江藤博之会長)はこのほど、城山保健福祉センター2階に保護司の処遇活動(保護観察対象者の指導監督や補導援護など)に対する支援や犯罪予防活動を行う拠点「相模原緑・更生保護サポートセンター」を開所した。同様の施設はすでに厚木市や横須賀市などで設置されているが、市内では初の開所となる。
過ちを犯した人の改善・更生を助け、犯罪予防のための保護観察にあたる保護司。社会的信望などを有する民間人の中から法務大臣が委嘱し任務にあたる。
区内が担当エリアの同保護司会には、42人の保護司が在籍。同センターが開所するまでは、活動拠点が無く、緊急に会議を要する場合や、他団体との協議などにおいて、不便が生じていた。加えて、保護対象者との面談では、各保護司が自宅で行うことを余儀なくされるなど、保護司やその家族への負担をいかに軽減するかが、全国の保護司会で課題に挙がっていた。
このような状況の中、保護司を委嘱する法務省では、個々の保護司の処遇活動に対する支援や犯罪予防活動を行う拠点として、「更生保護サポートセンター」の設置を推進。公的機関の施設などの一部を借用し、運営の企画、調整にあたる保護司を常駐させる。2014年度までに県内厚木市、横須賀市、小田原市、秦野市の4カ所を含む全国345カ所に設置され、2015年度政府予算案においても新たに101カ所を増設置する経費が計上されていた。
企画調整保護司が常駐 経験浅い保護司をサポート
同センターは11月に設置され、12月1日より本格的に稼働。保護司相互の連絡・調整や経験の浅い保護司の相談窓口を務めるほか、地域支援ネットワークの構築や地域に根ざした犯罪・非行防止活動の推進、地域への更生保護活動に関する情報提供なども担っている。同会の江藤博之会長は、同センターの開所で保護司同士が集まりやすくなったメリットを挙げ、「研修、犯罪予防活動、協力組織、広報といった各部会が活発化する」と説明。保護司同士のコミュニケーションが盛んに行われ、事例研修が増加することで、「このケースではどのように対応すればよいか」など、保護司の処遇方法の力量が増大するとしている。さらには同センターを窓口に、更生保護女性会やBBS会といった犯罪予防活動を行う関係団体や学校との連携強化や、市民の防犯意識の向上にも努めていく。
江藤会長は「保護司活動が活発化することで、犯罪の少ない地域社会の実現につなげたい」と意気込む。将来的には非行に悩む人々の相談窓口として機能することもめざしている。
開所時間は、平日月〜金の午前9時から午後4時。同センターへの問い合わせは、【電話】042・851・2341へ。
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