昨年末に亡くなり、市内小学校の養護教諭として、児童に親しまれた故後藤恵美氏の遺志を継いで、その遺族から桂北小・青野原小・湘南小の3校に計600冊の本が寄贈された。3校はこれらの本を「恵(めぐみ)文庫」と名付け、「後藤先生の優しさを忘れないように」と大切に使用している。
後藤恵美教諭(享年52)は1985年に青野原小に赴任。湘南小など津久井地域の小学校に養護教諭として勤務した。最後の勤務校となった桂北小で病気が見つかり、昨年8月から闘病生活に。12月15日に亡くなるまで、優しく、話しかけやすいその人柄から長年、児童たちに親しまれてきた。そうした中、後藤教諭の「児童が明るく元気に育つ手助けがしたい」との遺志により、遺族から桂北・青野原・湘南の3小学校に本を寄贈したいとの申し出があり3校も快諾。計600冊の本が寄贈された。7月に桂北小で、9月15日に青野原小、翌16日に湘南小でそれぞれ贈呈式が行われた。3校では、本に『恵文庫』と名付け「後藤先生を忘れないように」と、本の裏冊子にピンクのラベルをつけるなど大切に使用している。
桂北小の贈呈式には、後藤教諭の兄である萱沼義久氏が来校。義久氏はその席で、「妹は『明るく、楽しく、前向きに、感謝する、そんな子どもたちと一緒にいたい』といつも言っていました。最後に言葉通りの桂北小の皆様と過ごせたことは幸せでした」と挨拶。これを受け児童を代表した山口啓佑くんは「えみ先生は保健室に来る子どもの話を『そうなの、そうなの』と嫌な顔せず聞いてくれました。いなくなって悲しいですが、この本をえみ先生と思って大事に読みます」と懐かしんでいた。
同校では図書室の一角に『恵文庫』のコーナーを設置。夏休みにはコーナーから貸出された読書を読んだ児童たちの感想文を遺族に送るなど。感謝の意を示している。桂北小の高橋洋一校長は「子どもたちには、後藤先生が望んでいた、元気で明るく育ってくれることを願うとともに、桂北小での出会いを恵文庫と一緒にいつまでも覚えていて欲しいと思います」と話した。
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