市はこのほど、2017年中の救急概要を発表した。昨年1年間の救急出場件数は3万5873件、搬送人員は3万2004人で、前年比でそれぞれ816件、410人増加し、過去最多となった。市消防局では救急車の適正利用と、日常の些細な注意で病気やケガなどを未然に防ぐ「予防救急」への協力を呼びかけている。
市内での救急出場件数は1日平均約98件。これは市内17救急隊が保有する救急車17台が約15分に1回の割合で出場し、1年間で市民の約20人に1人が要請した数に換算され、医療機関などへ搬送された人は、1年間で市民の約23人に1人の計算となる。
出場理由としては「急病」(2万2289件)が最も多く全体の約6割を占め、前年比でも376件増加。次いで「一般負傷」(4830件、前年比237件増)、「転院搬送」(3130件、同14件増)、「交通事故」(2877件、同102件増)と続く。
搬送人員で見ると、65歳以上の高齢者の占める割合が過去最多に。初めて全体の半数を超えた16年よりもさらに952人増えて1万6985人となり、全体の約53%を占めた。新生児から64歳以下の搬送人員は前年に比べて減少した。
救急出場件数が過去最多となった要因については、高齢化社会により高齢者の搬送人員が増加した点が挙げられる。加えて同局では、救急車が適正に利用されていないことによる件数の増加も課題の一つに挙げる。
今回、搬送先の医師による初期段階での診断で、「軽症」とされた人が1万6645人(同307人増)と全体の52%にのぼった。同局では、核家族化などの影響で、家庭内に救急車を呼んだ方が良い事案かどうかを判断できる人や、経験豊富な人が減少したことも要因の一つとした。
その上で、「救急隊員の見立てでは判断が難しいところがあるが、自分たちで何らかの対応ができるのでは、と考えられる場合も多い」と話す。中には、症状に緊急性が無くても「交通手段がない」「どこの病院に行けばよいかわからない」と救急車を呼ぶ人もおり、同局では「救急車や救急医療は限りある資源。救える命を救うために適正利用にご協力を」と呼びかける。
一方、同局では、起こりうる危険を認識して未然に病気やケガを防ぐ「予防救急」の周知にも力を入れる。「幼児が画びょうを誤飲した」「高齢者がつまずいて転倒した」といった搬送事例では、「幼児の手の届く所に危険な物を置かない」「高齢者の転倒予防のため、床にある物を片付ける」など日常の些細な注意や心がけで救急車を要請せずに済む、と考えられる例もあるとし、PRに注力している。
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