相模原市は、今まで利用無料だった市設置の電気自動車の急速充電器を4月1日から有料化した。民間充電ビジネスの拡大や他自治体の有料化の動向などを踏まえたもの。また充電設備の老朽化に伴い、緑区内で4基あったうち、2基の一般開放の停止を決定した。市担当課は、「今後無料での利用は難しいが、充電器の継続設置を通して電気自動車の普及促進に努めていきたい」と話している。
今まで市が無料で利用を許可していた急速充電器は、市内で計6基。緑区では合同庁舎(緑区役所)に3基、藤野まちづくりセンターに1基、中央区では市役所本庁舎に1基、南区では合同庁舎(南区役所)に1基あった。これらは市が地球温暖化対策の一環として、電気自動車の普及促進を目的に2011年度から順次設置、「利用料金は当面の間無料」としてきた。正確な統計は出ていないが、担当の環境政策課によると、「一番利用者の多かったのは相模原市役所で、1日10台くらい」と話している。
しかし、設置から約10年が経過し、民間充電ビジネスが増加してきたことや、厚木市や海老名市などが同様の有料化をしたことを受け、相模原市でも2021年度から有料化することが決まった。利用には各自動車メーカーなどが発行する「充電カード」をかざすことで充電ができ、料金は利用者が個々にカード会社と契約した金額に準ずる。
本日からの有料化を受け、電気自動車の持ち主で、相模原市の急速充電器の利用経験のある40代男性(町田市在住)は、「非常に残念。無料充電だと1回最大30分という制限が一般的だが、相模原市運営の急速充電器の中には最大1時間充電できるところもあり、とても助かっていた。自治体の事情もわかるが、環境にやさしい電気自動車ユーザーへのサポートを続けてほしい」と話した。
緑区4基→2基に
一方で設備の老朽化問題もあり、市内計6基あった急速充電器のうち、緑区合同庁舎(緑区役所)の第1駐車場にあった2基の一般開放を停止することになった。4月以降も利用できるのは、緑区では合同庁舎(緑区役所)の第2駐車場にある1基、藤野まちづくりセンターの駐車場にある1基。中央区では、市役所本庁舎にあった充電器の一般開放が停止する代わりに、同区内にある衛生研究所・環境情報センターの駐車場に1基新設した。南区では、合同庁舎(南区役所)の駐車場にある1基だ。
有料化について環境政策課は、「10年前と比べると、民間で充電できるスポットが増加し、当初市が掲げていた普及促進の役割はある程度果たせたのではないかと判断した。税金が使われるものなので、無料での利用は難しくなるが、充電器の継続設置を通して今後も電気自動車の普及促進に努めていきたい」と話している。
市内の登録者数は
電動モーターで車を駆動させる電気自動車は、充電が不可欠だ。航続距離160Kmを走るのに、約7時間かかる「普通充電」(200V)と、約30分で済む「急速充電」がある。充電スタンドの場所などを集めた情報共有サイトによると、相模原市内には、個人宅以外で64カ所の充電スポットがあり(随時更新)、区内だとアリオ橋本、神奈川日産自動車津久井店、日産プリンス神奈川販売橋本店、コーナン相模原西橋本店、トヨタモビリティ神奈川相模原店、ネッツトヨタ神奈川ウエインズ二本松店、トヨタカローラ神奈川津久井店、横浜トヨペット城山店、Volks wagen相模原橋本などがある。
同課によると、昨年の3月末時点で、市内の電気自動車登録者数は693台。2018年時点での普通乗用車、小型乗用車、軽自動車の総登録数は30万7123台で、これに占める電気自動車の割合は、全体の約0・2%にとどまっている。
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