津久井の郷土料理「かんこ焼」を復活させようと、津久井商工会女性部(小林節子部長)が動き始めている。5月には試作会を行い、復活へ手応えを得た。小林部長は「郷土の料理を次の世代に繋げていけるように、できる限り販売に近づけていきたい」と見据える。
かんこ焼は、四季折々の具を小麦粉の皮で包み、焼いて蒸したおやきのような食べ物。津久井地域は、昔から山間地で稲作に適さず、小麦や大豆を栽培して主食とする食文化が根付き、傾斜地の畑で麦や豆が作られてきた歴史がある。そのような風土から生まれたかんこ焼は、江戸時代には主に昼食として食されてきたという。
この伝統食を継承し、地域を活性化するため女性部の有志が「いろりばた工房」を結成し、1992年にかんこ焼を商品化。以後、横浜赤レンガ倉庫や高島屋での物産展、津久井湖さくらまつり、津久井やまびこまつりなどのイベントで販売してきた。津久井湖観光センター、地域のスーパーなどでも販売。農林水産省の農山漁村の郷土料理百選にも選ばれている。
しかし、メンバーの高齢化に伴い、販売の継続が難しくなったため、3年程前にいろりばた工房は解散。かんこ焼の販売は終了してしまった。販売終了後も「近頃かんこ焼を見かけなくなったけどどうしたの」「どこに行けば買えるの」「また作ってほしい」などの声が女性部に届いていた。そのため、メンバーが「伝統的なものだし、無くすのはもったいない。食べたい人がいるなら私たちで復活させよう」と一念発起。昨年はいろりばた工房の元メンバーに作り方や、これまでの経緯を聞くなど、復活に向けて準備を進めている。今年5月には試作会を開催。「作るのはそれほど難しくないし、地元の食材を使ったり、包装をおしゃれにしたり、可能性を感じている。今年度中に、できるだけ販売できるところまで近づけたい」と小林部長は話す。
「興味ある方ぜひ」
女性部では、「かんこ焼」を地域に根付かせるマーケティング講座を7月22日(金)、午後7時から津久井商工会館(中野1029)で開催する。「かんこ焼、マーケティングに興味のある方はぜひ一緒に学びましょう」と小林部長は話す。定員20人。申し込み、問い合わせは同会【電話】042・784・1744へ。
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