平成18年に「がん診療連携拠点病院」として国から指定を受け、以来、専門的な”がん診療”を行っている『相模原協同病院』(緑区橋本2─8─18/高野靖悟病院長)。同院は今月1日、がん患者を対象とした「緩和ケア病棟」を開設。先月30日に開所式を行った。県内で11ヵ所目、県北・県央地域では初となる同病棟。地域のがん患者、また病院関係者からの開設を望む声が多い中での開所とあって、今後の期待は大きい。
相模原協同病院は、1945年に地域の無医村解消のために設立された。以来、県北・多摩エリアの総合病院として長年にわたり、地域の中核病院の役割を担ってきた。同院が指定されている「がん診療連携拠点病院」は、手術や放射線治療、化学療法を組み合わせた集学的治療などの提供や、化学療法、緩和ケアの提供体制、病病連携・病診連携の協力体制が整えられているかなどが条件となる。市内では北里大学病院も同様に指定を受けている。
相模原協同病院は、平成16年に放射線治療センターを開設し、国立がんセンターや地域病院との連携に努めるほか、緩和ケアチームを院内で設け、がん患者の相談なども随時行っている。今回開所した「緩和ケア病棟」は、そうした”拠点病院にあることが望ましい”とのことから、3年がかりで準備を進め、開所に至った。
「市民や近隣の方に貢献したい」
緩和ケア病棟は、「がんの進行によって生じる症状や精神的苦痛があり、抗がん治療の適応がない、および希望しない人」が入棟対象となる。緩和ケア病棟の 運営は、コスト面やスタッフ管理などの面でハードルが高いため、設置する病院は全国的にも数は少なく、県内では10ヵ所で設けられているだけだ。
一方で、がん患者は、国内でもその数は多く、がんの症状や治療における精神的、肉体的な苦痛を受ける人も多いという。地域の医療従事者の中からも、そうし た患者を受け入れ、サポートするスタッフ、設備を満たした緩和ケア病棟の設置を望む声が多かった。総合相模更生病院の井出道也院長も「地域に待望久しいも の。市民のがん難民の拠点になる。(今回の開所は)地域にとっても大きな曲がり角になる」と話す。
同院の高野病院長は「12床と小さいかもしれないが、この病棟を市全体、八王子や町田、厚木といった近隣の地域の方にもぜひ使ってもらいたい。市民、近隣の方たちに貢献していきたい」と話している。詳細については、同院【電話】042・772・4291へ。
挨拶をする高野病院長
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