相模原市は4月1日から、市のマスコットキャラクター「さがみん」を用いたオリジナルの母子健康手帳の交付を開始した。デザインは女子美術大学(南区麻溝台)4年の長岡翠(ながおかみどり)さん(21)が担当。独自デザインの母子手帳交付は市内で初めて。
昨年4月に誕生したキャラクター「さがみん」。地元への親しみをより感じてもらいたいと普及方法を模索する中で市は、「ずっと使うものだから、デザインが浸透するのでは」と、母子手帳に着目。市内にキャンパスがあり、地域の課題解決や活性化を図るための包括連携協定を結んでいた同大に昨年8月、さがみんを用いたオリジナル母子手帳のデザイン作成を打診した。
制作は、就業力の促進を目的に、学内外から受注した業務を学生に委託する同大の「学生デザインルーム」で請け負うことになり、コンペで長岡さんが選ばれた。
当初、「母子手帳について調べたら、わざわざカバーをして使う人もいるとわかった」という長岡さん。「隠されずに使ってもらえるデザインにしよう」と考えた。まず100通りの案を出し、「見た目の華やかさ」「ありきたりでない」「子どもが主役となるもの」といったことに気を配りながら候補を絞っていった。手描きでデザイン画をおこし、それをパソコンに取り込んで色をつけた。
個性大事に
最終的に決定したデザインでは、市の色「みどり」を基調とし、「浮遊しながらすすむ個性的なゆりかご」(長岡さん)をちりばめた。その中には本や恐竜、冒険に使うための地図などとともに、「自分の時間を楽しむこどもたちの姿」が描かれている。「それぞれの個性を大事に成長していって欲しい」と話す長岡さん。子どもだけでなく、その両親に対する思いも込められているという。
「長く愛着を持って使ってもらえるよう意識しました。子育ては辛いことや悩むことも多いかと思いますが、この手帳を見て少しでもホッとした気持ちになってもらえたら」と長岡さん。将来は広告企画やデザイン関係の仕事に就き、「自分が作っていて楽しいもので、みんなが楽しくなるもの」を作るのが夢だ。
このデザインは4月から交付されるすべての母子手帳に採用されている。交付対象は市に住民登録があり、妊娠届出をする妊婦。市内の各保健センターか、各保健福祉課で受け取ることができる。A6判。問合せは【電話】042・769・8345市健康企画課へ。
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