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津久井産木材、ブランドに 産地証明で利用拡大図る

社会

公開:2017年6月8日

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津久井・青根地区の手入れされた森林
津久井・青根地区の手入れされた森林

 津久井地域を中心とした市域内で生産された木材に対して、『津久井産材』として産地を証明する制度が6月1日から始まった。津久井産材という名称の浸透や、流通の促進、工務店などが木材を利用する際の証明資料としての活用に加え、森林の現状周知としても期待される。

 制度の実施主体は「津久井産材利用拡大協議会」(栗林一郎会長)。合併で市域の約6割を占めるようになった森林の整備体制を構築するため、市が2010年に「さがみはら森林ビジョン」を策定。同協議会は、その重点事項とされる「木材の利用拡大」を推進するため組織された「津久井産材利用拡大促進協議会」と「木質バイオマス利活用に関する協議会」が統合する形で15年に発足した。市内の林業・木材流通事業者や製材会社ら12者で構成され、県や市などがオブザーバーとして名を連ねている。

 津久井産材はもともと、県が定める「かながわ県産木材産地認証制度」により、”県産材”として流通されてきた。これまでにも市内では、市区庁舎や課名表示板などの備品、小学校の机の天板などの公共利用をはじめ、JR相模湖駅駅舎などの民間建築物、市と大学との連携事業など様々な形で利用されている。栗林会長によれば、その材質は「強度が高く、他地域の木材と比べても引けをとらない良材」という。

 地産材のさらなる普及、利用拡大を図るため、同協議会では産地認証による独自ブランド化を模索。検討を重ね、制度化に至った。仕組みとしては、同協議会に「津久井産材認証生産者」として登録された林業事業者が、素材(丸太)とともに、出荷先事業者名や取扱量、樹種などを記した「津久井産材流通確認証」を発行。製材所、材木商、工務店といった流通過程で各事業者がそれに署名・捺印することで、津久井産材として証明される。適用される木材は市内で合法的に伐採されたもので、認証生産者は県内に住所を置く事業者。栗林会長は、「製材所は協議会への登録の必要はなく、原則、県内事業者ということだけ。また、流通者や工務店などには所在地制限もないので、使いやすい制度になっていると思う」と利用を呼びかけている。当面の間、登録の事務を担当する市津久井地域経済課では、「津久井産材の市場拡大につながれば」と期待を込める。

森林知る機会に

 木材としての利用拡大を目指す一方で、制度化には津久井森林を健全に維持し、次世代に引き継いでいくというねらいもある。「スギやヒノキは植林して20〜30年間が最も二酸化炭素を吸収し蓄えて、酸素を排出する。環境問題を考えると、戦後に植林した木も伐採期を迎えており、そろそろ循環が望ましい時期にきている」と栗林会長。県森林再生課の資料では、2015年度に津久井産材が丸太として切り出された量(素材生産量)は4447㎥で、県全体の約16%。市では、「森林ビジョンの目標対比としては順調な値」とはしているものの、採算が合わないといった事情から、切った木材のすべてが市場に出されるわけではなく、その場に残される「切り捨て間伐」となるケースも多いのだという。栗林会長は「木材価格の低迷と、まだまだ利用が少ない現状が課題」と述べるとともに、「今回の制度によって、津久井の森林の現状を市民の方々に正しく理解していただく機会ができれば」と話した。

 制度の問合せは同課【電話】042・780・1401へ。
 

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