7月25日の全国高校野球選手権神奈川大会準々決勝で、県立相模原高校(県相)が4連覇をめざす第1シードの横浜を激戦の末8対6で破り、創部史上初の4強を決めた。甲子園出場がかかった大会で市内公立高校のベスト4は初(旧4町の津久井高校は4強)。準決勝で東海大相模に敗れはしたが、試合を重ねるごとに成長した県相は市内公立校の球史を塗り替えるととともに、今大会終盤を熱く盛り上げた。
佐相眞澄監督は東海大相模、横浜、桐光、慶應を県内高校野球の四天王と呼び、「打倒四天王」を掲げて戦ってきた。そうしてめぐってきた横浜との一戦。劇的な逆転の末、横浜を破って決めたベスト4の快挙に、3塁側スタンドの県相応援団は大歓声とともに涙を流す人の姿であふれた。試合後、逆転の立役者となった中野夏生選手は「スタンドの応援がすごくてとても心強かった」と振り返り、笑顔で汗をぬぐった。
同部では昨冬からトレーナーを招へいしメンタルトレーニングに取り組み、佐相監督は「無」の精神、動揺せずに自分を客観視することを選手たちに求めてきた。横浜戦前は速球対策として通常のマウンドからの距離18・44mではなく、16mにマシンを設置し対応力を身に付けさせた。試合ごとに積み重ねてきた様々な鍛錬が結実したことが、横浜戦での歴史的勝利につながった。
大会を振り返り、佐相監督は「小さな軍団が良く頑張った。選手たちは200%以上うまくなった。今年は四天王の一角を倒すことができてベスト4に進出。昨年よりも悔しくない。幸せな時間を過ごすことができ、選手たちには『連れて来てくれてありがとう』と言いたい」と激闘をみせた選手たちをねぎらった。好守が光った坂手裕太主将は「監督がいつも言うように、応援してくれる皆と自分たちとで束になって戦えた。それがうれしかった」と充実した表情。主戦としてチームをけん引した天池空投手は「これまでの投げた試合で、横浜戦が一番印象に残る試合になった。スタンドの大歓声は本当に力になった。名前を呼んでもらえるのがうれしく、力をもらった」と応援団に感謝の気持ちを示した。
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