7月16日の梅雨明け以降、本格的な暑さが続いており、市内で熱中症による救急搬送者数が増加している。市消防局救急課によると、7月中中に熱中症で搬送された件数は102件(速報値)。これは、昨年の同月1カ月間の搬送人数(21人)と比べほぼ5倍。北消防署警備課本署の担当者は「まん延防止等重点措置(まん防)などにより外出控えがある一方、屋外での仕事や中高生の部活などの場面で運ばれるケースが見受けられる」と注意を呼び掛ける。
北消防署警備課本署によると、救急搬送例として「自動車整備工場での仕事中」「屋外での部活動中」「屋内の調理場での作業中」という事例があったという。
昨年7月の平均最高気温(横浜市)は27・6℃に比べ、今年は30・1℃。同署で救急隊員を努める本間雄大さんは、「まん防などの影響で外出控えがある一方で、コロナ下に限ったことではないが、屋外や屋内での仕事や部活で脱水症状になるケースが見受けられる」と話す。
また、いずれのケースも水分はこまめに取っていたようだが、本間さんによると「水分の中身が大事」という。お茶やコーヒーの中には、含まれているカフェインにより利尿作用が起こり脱水症状を引き起こしやすいものがある。従って、カフェインを含まない麦茶や、適切な量のスポーツドリンクなどをこまめに摂るよう呼び掛けている。
マスク熱中症も
また、昨年に続き、今夏も新型コロナウイルス予防と熱中症対策の両立が求められるが、マスクを着けることで起こる「マスク熱中症」も懸念される。厚生労働省の調べでは、マスク着用時は非着用時と比べて、呼吸数や心拍数、体感温度の上昇など、体に負担がかかることがあるという。
そこで市は対策として、「屋外にいる時、人と十分な距離(2メートル以上)が確保できている場合はマスクを外す」「マスクを着用したまま激しい運動などは避ける」の2つのポイントを示す。
さらに同署によると、「コロナ対策として人との接触を避けるため、長袖の衣類を身に着ける」例もあり、マスクと同様熱が体内にこもることが心配される。暑さによる事故のニュースは毎年あるが、7月29日には福岡県の保育園で送迎バス内で5歳の園児が熱中症で死亡した事故もあり、市消防局は、広報誌やホームページなどで啓発に力をいれていく考えだ。
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