“あんたがたどこさ ひごさ ひごどこさ”―幼少期、誰もが一度は口ずさんだことがある「わらべうた」。「あんたがたどこさが好きで、子どものころよくまりつきをしたわ」と目を細め懐かしむように話す田村洋子さん(林)。2002年にわらべうた協会を立ち上げて以来、0歳から100歳以上まで、わらべうたを伝承すべく、活動を続ける。「凧あげやまりつきなど、日本の文化や郷土の文化は伝承すべき」とその重要性を説く。
横浜市出身。結婚を機に厚木へ。43年間暮らす厚木は「山あり川あり自然いっぱいで好き」とにっこり。結婚してすぐに母親が病に倒れ、看病に専念することに。しばらくして長男と次男を出産すると、看病と子育てに追われた。次男が3歳のときに母親が亡くなり、初めて子育てに注力する時間ができた。次男をわらべうたの教室に通わせるようになり、1988年「わらべうた同好会」を発足。ところが「わらべうたを習い事と捉えるお母さんが多く、遊びとしてなかなか広がらなかった」と吐露。「一つのうたでたくさんの遊びがある。だんだん、その時代にあわせて伝えることができるようになった」。
現在は、あつぎ郷土博物館や妻田児童館、アミューあつぎなどで活動する傍ら、東京おもちゃ美術館(新宿区)で学芸員としての顔も持つ。おもちゃ美術館では、「伝承あそび実践論」の講師も務める。「“伝えたい”思いが強いので、全国どこへでも飛び回ります」と力強く語る。
普段は4人の孫のおばあちゃん。「息子たちも自分で子育てするようになって、文化や郷土の大切さがわかったみたい」と嬉しそう。現在子育て中のお母さんとの交流も多く、「子育て中だから出会える世界がある。私の場合はわらべうただった。すぐに仕事復帰することを考えず、出会ったものを大切にしてほしい。そうすれば太い人間になれる」。そう語る表情は温かさに満ちていた。
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