玉川地区文化振興会(井上茂会長)が3月1日、同地区の言い伝えや謂れをまとめた本『玉川を遡る』(A5判・約80頁)を完成させた。執筆者は、小野で生まれ育った山口義章さん(68)。
制作のきっかけは、山口さんが2008年に玉川公民館長に就任したこと。月に2回発行している公民館報で、地区ならではの読み物を掲載することになった。
父親が元教員で、子どもの頃から地域史に興味があり、「小野小町研究会」にも所属しているという山口さん。「玉川を逆上る」と題して、歴史や伝統を紹介する連載をはじめた。
手掛かりは自宅に残っていた資料や書物。『新編相模国風土記稿』や『玉川村実態調査』などをもとに、子どもでも分かるような文体でまとめた。2008年9月から2011年5月までの約3年間で掲載した記事は計66本。七澤城や愛甲三郎とその一族の歴史などを取り上げた。
連載終了後、書籍化を希望する声が多くあがったことから、同振興会が文化活動事業の一環で制作を決めた。タイトルは「玉川を遡る」に変更、地図も追加作成することにした。
「市街化調整区域に指定され、開発が制限されていたから史跡は比較的残っていると思っていた」と山口さん。しかし井上会長らと地域をまわると、開発が進み、跡形もなくなった場所もあった。古くから住む住民を訪ねて話しを聞き、35カ所の見どころを記して完成させた。井上会長は「玉川地区は伝統がある。若い人にも読んでもらい、伝え続けて欲しい」と話した。
本は3月2日と3日に開催された「玉川地区公民館まつり」で、東日本大震災の義援金協力者に配布された。今後は同地区の小中学校や福祉施設、図書館などに寄贈する予定だという。問合せは同公民館【電話】046・225・2558へ。
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