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暮らしの豊かさとやりがいある仕事、どちらも諦めない働き方へ PHP総研主席研究員 立教大学大学院特任教授 亀井善太郎

経済

公開:2018年3月23日

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これまでの「仕方ない」を疑ってみよう

 県央から東京や横浜などの職場まで往復3〜4時間を通勤に費やしている人は少なくありません。仕事上の大切な情報が漏れるようなことはあってはならないことですから、職場への出勤は必要で、長時間通勤は仕方ないというのがこれまでの常識です。

 一方、家族の介護や子育てで、心ならず働くことを諦める人がいます。仕事に慣れても、顧客と信頼関係ができても、介護や育児で、これまで通りの時間で働けないので、仕事を辞めざるをえない人が多いのです。一度離職すれば復帰は難しく、復帰できても元の収入に戻すには時間がかかります。時短勤務では、生産性は落ちますし、給与も下がってしまいます。

 これらの問題について、少し考えてみましょう。通勤にかける時間をうまく使えれば、年老いた両親を看ることも、子どもと一緒に過ごす時間も増やせます。保育園の引き取り時間ギリギリの駆け込みも少なくなるでしょう。

 そもそも、これまでと同じ時間・場所で働けなくなれば、仕事を辞めねばならないのがおかしいのです。決まった時間・場所でなくても働ければ、仕事を諦めなくてもよいはずです。

テレワークで解決へ

 そうした問題解決の手法として注目されるのが「テレワーク」です。情報コミュニケーション技術(ICT)を活かし、これまでの職場に出勤しなくても、いつでも、どこでも仕事ができる柔軟な働き方です。

 テレワークでまず考えられるのは在宅勤務ですが、自宅にはICTは十分に整っておらず、整備には各家庭の負担も生じます。家族が一緒にいれば集中できず仕事もしにくいでしょう。

 駅近くに情報セキュリティに配慮された、最先端のICTが整ったサテライトオフィスがあれば、どうでしょうか。子どもを保育園に預け、両親を施設に送った後、すぐに仕事を始められます。仕事の生産性は上がり、暮らしとのバランスも改善できるでしょう。

 テレワークのためのサテライトオフィスは、これからの街に不可欠な機能です。2025年には団塊世代すべてが75歳以上になり、支援を必要とする人が爆発的に増えます。また、現役世代の減少も加速します。暮らしの時間とやりがいある仕事の両立には、これまで通りではうまくいきません。現役世代にとって自分事の問題であり、そういう社会はすぐそこまで来ていて、これを支援するための投資がまちづくりには必要です。

本厚木駅近くのサテライトオフィスの可能性

 本厚木駅近くにテレワークのためのサテライトオフィスが立ち上がります。民間主導の投資というのも心強いことです。企業立地も多いこの地では様々な使い方が考えられます。地域に暮らす人には、暮らしと仕事のバランスをうまくとるための拠点に。この地で働く人には、駅から少し離れた従来のオフィスの分室として、小回りの利く活動の拠点、ひいては地域の産業競争力強化の拠点として使われるでしょう。

 器はできました。今後は、使う側の意識と行動の変化が必要です。器だけでは働き方は変わりません。暮らしやすさは手に入りませんし、じりじりと辛くなるばかり。経営者、働き手それぞれが今までのやり方を変えようと声を上げ、自ら行動を起こさねば、次の時代には対応できません。新しい拠点の可能性を引き出せるかどうか、一人ひとりが試されているのです。

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