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開館40周年特別取材 「感動を生む劇場」めざして 厚木市文化会館の元館長・井上允(まこと)さん

文化

公開:2018年11月2日

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開館直前に職員となった井上さん。その後は7年ほど館長も務めた
開館直前に職員となった井上さん。その後は7年ほど館長も務めた

 開館から40年を迎えた厚木市文化会館。開館当時の文化会館は、どのような状況だったのか。開館の年の6月に職員となり、その後、館長も務めた井上允(まこと)さん(71/上荻野)に話を聞くと、記憶を辿りながら、当時の様子を話してくれた。

 井上さんは30歳の時、文化会館の求人を見つけ応募すると、技術職として採用された。「地域での仕事がしたくてね」と転職し、退職までの30年、文化会館に勤めた。

レンガのこだわり

 建物の特徴として、レンガの外観がある=写真。「当時の石井忠重市長がこだわったのがレンガだった。レンガは焼き加減で色が変わるから、それをどうやって並べたらいいとか、3パターンのサンプルを作り、晴れた日に水をかけて一番良いものを選んだみたい」という。ホールの音響にもこだわり、音響テストを繰り返した。「多目的ホールだから、残響が長ければ良いわけでもなく、心地よい響きにするのに何度もテストしたよ」と懐かしむ。

 ちなみに、文化会館の工事は2回に分けて行われた。78年の開館に合わせて、大ホール、集会室、会議室などができ、4年後の82年に小ホールなどが完成し、今に至る。「予算の都合で2回に分けて工事をしたそう」。

「東京からお客を呼ぶ」

 開館当時のホールは演劇やクラシックの公演が主流だった。実際に、NHK交響楽団や指揮者の小澤征爾さん、ピアニストの中村紘子さんらが公演を行っている。しかし、

開館から3〜4年で公演も出し尽くした感があり、集客が厳しくなってくると、「違うジャンルもやろう」と、ニューミュージックの公演を企画。「それで海援隊を呼んだら人がたくさん来たよ」と回想する。「当時の館長だった日下令光さんとは、『東京からお客さんを呼ぶんだ』ってよく言ってたよね」。当時はアーティストの事務所と出演交渉を行っていた井上さんも同じ思いだった。事務所に通い、信頼を勝ち得て、次々と交渉をまとめていった。「市民に良いものを見てもらいたかったし、『厚木は良い』って関係者に知ってもらいたいというのもあったね」。

ホール内は飲食禁止

 開館当時、大ホールの使用料は1日20万円(日曜・祝日)。「高いって新聞で叩かれたこともあった。逆に『良いホールなんだ』って説明してたね。イスは座り心地のよい有名メーカーのもので、良い状態に保っていたし、ホール内も汚さないようにしていた」。そんな中で、苦慮したのがホール内の「飲食禁止」だった。「これは観劇のマナーだと思うんだけど、当時はそんなこと言っても通じないから、公演中も職員で注意したね。今では当たり前だけど」と笑う。

 文化会館での日々を振り返ると「『感動を生む劇場』をめざして邁進した30年だった」という。10、20、30周年の際は、市民参加型事業を企画。厚木から文化を発信することにも精力を注いだ。「厚木を文化の街にするって思いでやってきた。仕事として悔いはないし、支えてくれた市民のみなさんにも感謝したい」。

78年の落成記念式典のようす=厚木市提供
78年の落成記念式典のようす=厚木市提供

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