横須賀版 掲載号:2018年4月6日号
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小出版社「サンズイ舎」を主宰、横須賀ブックミュージアムを企画した モリ ナヲ弥さん 湘南鷹取在住 34歳

文化を”混ぜる”発信基地に

 ○…古本を各々一箱分持ち寄る、ブックマーケット。「地元で開催できないか」と博物館の学芸員に相談したのが昨年秋ごろ。周囲に声を掛け始めると、盛り上げようと輪が広がった。テーマは本と博物。地域の特徴も全面に押し出した。

 ○…横須賀生まれ、金沢区育ち。中高生の間は、演劇や吹奏楽に没頭。歴史好きが高じて、芸術家の人物史を掘り下げて学びたい―と進学したのが美大の芸術学科だった。”創る人”の近くで刺激を受けた学生時代。展覧会の講評を文に連ねて評価しあう研究サークルに入り「編集思想や文体など書き方を鍛えられた」

 ○…就職してしばらく経ち、「手持ちのカードを使いきった感覚があった」。仕事に行き詰まり、美大仲間と気分転換に訪れたのが海。その様子を新聞にまとめていたことを機に、「サンズイ舎」と名付けたリトルプレス(小出版社)を立ち上げた。「足元を見たら自然がたくさんあった」。潮の満ち引きや季節の移ろいなど、美術の視点で捉えると新たな面白さが浮かび上がった。雑誌タイトルは、ベラ科の魚から「キュウセン」。約30ページの構成にイラスト、写真、立体造形などは美大仲間に依頼して作り込んだ。「水辺の文化を綴る」と題して、年1冊のペースでこれまで3号を上梓。「取材から人が繋がって新たなテーマが見える。三浦半島は、そんな素材に溢れている街」

 ○…「文化はミルフィーユ」。ある時投げかけられた言葉が印象深く心にある。文系・芸術系の自分が今、「海洋博物」の雑誌作りを楽しんでいる。地域にある多様なカルチャーを”混ぜる”のもブックミュージアムの意図するところ。「本を介して、理系と文系を自由に行き来できる場に」。次の一歩の繋がりに期待を膨らませた。

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