よこすかでジェンダーを考える 「自立」から平等な社会へ #6 市内で活動する女性支援団体
最近よく耳にする「SDGs」という言葉。持続可能な開発目標という意味で、17の項目が掲げられている。そのうち、【1】貧困をなくそう 【4】質の高い教育をみんなに 【5】ジェンダー平等を実現しよう 【10】人や国の不平等をなくそう―など、いくつかの内容はジェンダーや女性の課題と関わりがある。これらに対して、どのような具体的な取り組みがあるのか。その一例として、奉仕団体「国際ソロプチミスト横須賀」の渡辺史子さんに話を聞きました。
――国際ソロプチミストとはどのような団体ですか?
今から約100年前のアメリカで、女性自らの手でその地位と人権を高め、男女が平等に活躍できる社会を目指して奉仕活動を始めたことがきっかけで発足しました。現在は118の国と地域、約7万人の女性によるボランティア組織となっています。横須賀地区では約30年前に誕生。取り組むテーマは時代と共に変化していますが、「女性・女児教育の支援」という軸は変わりません。
――横須賀では具体的にどのような活動を展開していますか?
市内の児童養護施設、ファミリーホーム、障害者施設などへの支援のほか、DV被害女性への自立支援も長年続けています。厳しい状況に置かれた女性を自立に繋ぎ、子どもの教育環境を守ることで差別や困難から救い出す取り組みです。今の時代においても経済的・人道的支援はまだまだ必要だと感じています。
また、2年に1回、私たちが所属する1都8県「日本東リジョン」主催の青少年育成プログラム「ユース・フォーラム」では、市内の高校生に参加を呼びかけ、社会課題に対して話し合う機会を作っています。これまで、自己理解と他者理解を交えた男女平等の視点や、女性の非正規雇用率の高さ、女性議員の割合などがスピーチのテーマにあがっていました。
そんな中、昨年の発表会で気付きがありました。逗子葉山から参加した逗子開成高校の男子生徒は、「男女差別の問題に本当に必要なのは個人の意識の変革」「女性が(職業選択などで)自身の選択肢を狭めざるを得ない男女格差のある現実を、少しずつ変えていきたい」と綴っていました。男女平等を女性だけが議論するのではなく、分かち合いや歩み寄りで一緒に考えたい―という視点が新しい世代で生まれているように感じています。
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「ジェンダー平等とは何か」という問いかけは、男女ともに横たわっているもの。ソロプチは女性による女性支援の団体だが、新たに男性が加入したリジョン(地域)もあるという。DV被害など同性での細やかな援助が必要なケースもあるが、女性の問題と片付けてしまうのではなく、なぜこうした支援が必要なのか、社会課題としてもう一歩踏み込んだ議論が必要なのかもしれない。
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