満昌寺副住職で、和尚さんバンド「forblue」でドラムを担当する 永井 宗徳さん 大矢部在住 33歳
バンドで奏する心の癒し
○…1194年、三浦大介義明を開基として源頼朝が建立した大矢部の名刹・満昌寺。その第31世住職である父を師僧に、副住職を務める多忙な法務をこなす傍らで趣味の音楽にも親しむ。鍵盤、ギター、ドラムに加え、音源の収録や編集、動画制作など多芸多才。好きなロックや音楽観を語る表情は朗らかだ。
○…寺の長男として生まれ、後継者の自覚が明確に芽生えたのは、仏門に入るための得度式(とくどしき)で坊主頭にした小3の時だ。「見聞を広め、喪失体験による心の傷をケアできる人になりたい」と、県立横須賀高校から早稲田大学人間科学部に進学。禅と同じ仏教がルーツの心を整える手法「マインドフルネス」と出会い、臨床心理学を学んだことで僧侶になる決意を固めた。その後、同大学院文学研究科修士課程を修了、2年前には公認心理師資格も取得した。
○…友人に勧められたパンクロックバンド「グリーン・デイ」に影響を受け、中3でギターを始めた。初舞台は有志バンドで出た高3の文化祭。大学時代も下北沢などのライブハウスに月1〜2回出演して青春を謳歌した。5年の修行から戻った21年末に、同じ臨済宗建長寺派の僧侶3人でバンド「forblue」を結成。寺社を舞台に袈裟姿で癒しの音を奏でる表現は「奇をてらうわけでなく、僧侶も音楽好きも、どちらも偽りない私達のありのままの姿」
○…満昌寺でのバンドライブは今日、文化の日恒例の「文化財特別公開」が初めて。音楽は「いろいろな人と話せる、人をつなぐコミュニケーションツール」というのが持論で、時には年の離れた檀家らと「1人の音楽好き」としてセッションを楽しむことも。自分らしく地域と絆を結びながら副住職としての経験に還元していく。
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