「ど根性ひまわりフェス」の運営中心メンバーとして活動する 小川 和豊さん 平作出身 60歳
共生と防災は相互理解から
○…多様な人たちがともに生きる社会の実現と、普段から顔の見える地域防災の大切さを呼びかけるイベント「ど根性ひまわりフェス」。県立茅ケ崎支援学校で教師を務める傍ら、運営の中心メンバーとしての校外活動にも余念がない。日頃の防災訓練は重要だが、誰も取り残さないための基盤があってこそ奏功するもの。「まずは楽しみながら互いを知ることから始めよう」とイベントを通じた啓発に努める。
○…「教師になりたい」。はっきりと志したのは衣笠中3年の時、柔道部顧問と出会い、厳しくも真摯に生徒と向き合う姿に憧れた。描いた夢のとおり教育の道に進むも、初任校として命じられたのは支援学校(旧養護学校)だった。最初こそ戸惑いはあったが、次第に人間性の成長や体験を重んじる自由なカリキュラムが自身の教育観と合い、今日まで38年にわたって支援学校で教鞭をとり続けている。
○…県下の学校をいくつも転任してきた中で一様に感じたのが、学校と地域の関係性の希薄さ。”防災共生”を掲げる理由は、児童生徒は一たび災害が起きれば要援助者となり、避難やその後の生活で支援や配慮が不可欠だからだ。能登半島地震でも「周囲に迷惑をかけたくない」と、知的障がいを持つ子と在宅避難する被災者の様子が報道されるなど、待ったなしの課題だと痛感。平時から互いに顔の見える関係づくりの重要性を説く。
○…過去には互いを知り、受け止め、ぶつかり、理解を深める「共生プロレス」と名付けたユニークな試みも注目を集めたアイデアマン。衣笠のイベントには教え子や教員仲間と結成したバンドで自身も出演する。「中学校で始めたギターを数十年後に地元で披露するとは。恩返しになれば嬉しい」と微笑んだ。
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