鉄道ファンコミュニティ「よこすか子鉄くらぶ」を主宰する 山田 裕子さん 野比在住 49歳
子どもの「好き」を肯定する
○…鉄道趣味を通じて不登校の親子に居場所を提供したい―。「鉄道好き」をキーワードに市内の不登校児童や、その親が集まるコミュニティとして昨年9月に立ち上げた。小学生以上の鉄道好きが集まる「子鉄部屋」のほか、未就学児を主な対象とした「子鉄のプラレール部屋」を平日日中、それぞれ月2回の頻度で実施。京急線などのNゲージ模型の操作や、車両の写真を用いたオリジナルカードで神経衰弱を楽しむ参加者を「好きなことに没頭できる場を大切にしたい」と温かく見守る。
○…活動の契機は4年前、小学6年時に始まった息子の不登校。幼少期からこだわりが強い傾向があり、周りの同級生とは少し違った様子に悩んでいたが、不登校児の保護者の集まりに参加したことで心が楽になった。「親は子育ての悩みを一人で抱えがち。外部との関わりを持つことで救われる人もいるのでは」。会場では自身の経験をふまえたアドバイスもできるため、親子で訪れる参加者も多い。
○…鉄道をテーマにしたのは”撮り鉄”である息子の影響。中学生の頃は引きこもり気味だったのが、鉄道に目覚めてからは横浜、都内へと一人で出かけるように。「『好き』に対する子どものエネルギーは凄まじいものがある」と実感し、「大人は彼らの興味に気付き、それらを肯定することが大事」と今につながる気づきを得た。
○…最近はこうした場を求めるニーズを感じ、「子鉄部屋」の週末実施も検討中。登校の有無にかかわらず、幅広い層の子どもが趣味でつながり、互いの理解が進むことをめざす。「誰もが自分の『好き』を同世代に気兼ねなく表現できる環境を、自分のできる範囲で提供していきたい」と微笑む。
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