税理士会横須賀支部の支部長を務める 長治 克行さん 三浦市在住 61歳
適正・公平に責任感
○…今年も1月中旬から始まった「確定申告」。納税の申告代理や相談などを専門にする税理士が最も忙しい時期だ。税のスペシャリストとして活動する横須賀市・三浦市の税理士158人(法人4社)を束ねる支部長として奔走する。
○…「派手な仕事ではない。法に基づいてスムーズに納税できるように、公平な立場を貫くだけ」と語る。今の税制はかなり複雑。政策ひとつで制度も変わる。税務行政庁と納税者双方にとっての「正しい納税」を導くのが税理士の責務。「何年経っても日々勉強」と資質の向上に余念がない。支部としては通常業務に加え、近年では小学生向けの租税教育にも力を入れる。「社会には権利だけでなく、義務があることを学ぶのも大切。自分が納めたお金がどう使われているのか関心を持てれば」。さらに、NPO法人への決算書作成の指導や公的機関の外部監査を務めるなど、税理士の担う役割は広がる。
○…高校時代、技術者を志して理系クラスに進んだが、数学に苦戦して進路を変え、公認会計士に目標を定めた。その憧れから辿り着いたのが税理士という職業だった。29歳で独立開業。この仕事は紹介から業務を請けることがほとんど。「人の台所を見るものだから、信頼が大切」。横須賀は人と人のつながりが深く、顔が見える地域だと感じている。各関係団体の連携が強いのもこの地域の特徴。信頼は日々の的確な業務があってこそ。そんな言葉にも責任感が滲む。
○…30代で結婚した妻も税理士として現役で働く。「仕事の上では相棒といった感じ。複雑な税制の解釈など相談できるのは心強い」。数字と向かい合う日々の中で、心が落ち着くのは、庭でバラの栽培など土いじりをするひととき。「手入れしただけきれいに咲くからか、疲れ方や満足感が違う」。多忙な中で、オンとオフのバランスを取ることが、仕事への活力を生む秘訣かもしれない。
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