久里浜の文化を考える会発行の『くりはま歴史絵本』で企画・編集を手掛ける 小川 喜久雄さん 久里浜在住 69歳
「アイラブ久里浜」溢れる街に
○…「ただの趣味で作っているのではないんです」。子どもたちに郷土愛を深めてもらいたい。大人も、忙しい中でも地域に関心をもってほしい。06年の「考える会」発足以降、シリーズで発刊してきた『くりはま歴史絵本』。2年前からは市の補助が打ち切られ、市民から協賛金を募っている。もし集まらなかったら?の問いには「最後は自分で払う覚悟でした」。想いは伝わり、第6集を発行できた。
○…生まれも育ちも久里浜。戦後間もない幼少時代、田んぼでドジョウをすくったり、山でさくらんぼや山苺を探したりと「遊びそのものは食べ物に繋がっていましたね」と笑う。時代が変わり、まちの姿が変わり、今の子どもは地域で遊ばなくなったと感じる。だが、地域に興味をもてばきっと郷土愛もわいてくる。例えば久里浜から黒船が見えた時、例えばペリー記念碑が復元された時。地域の人にしか分からない身近な歴史は、地元密着で語られた方が受け入れられるのではないか。「だから、僕たちは一生懸命本を作ります」
○…昨年は大きなニュースがあった。八幡神社遺跡(久里浜中敷地内)で、古墳時代のものとみられる人骨が発見された。ここから何を読み解くか。久里浜には1500年以上前から人が住み続けてきた。大規模な開墾をした土地ではなく、気候も温暖。その答えはシンプルだが本質的。「久里浜は、人が住むには良い所だということです」
○…現役時代は三浦高校(現三浦学苑)の教員だった。教科は社会科かと思いきや「よく聞かれるんですが、工業科なので完全に理系でした」。だが、驚きはそれだけではなかった。「以前このコーナーに(ギタリストの)柴山和彦が載ったでしょう。彼は僕の教え子なんです」。多くの生徒や仲間、久里浜の財産に囲まれて、今は地域一筋。今後の目標は、歴史絵本を10集まで完成させること。そして、「アイ・ラブ・久里浜」の人を一人でも多く増やすことだ。
|
|
|
|
|
|