神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
横須賀版 公開:2015年10月16日 エリアトップへ

半身麻痺や高次脳機能障害などのハンデをもちながら音楽活動を続けている 柳田 誠さん 馬堀町在住 64歳

公開:2015年10月16日

  • LINE
  • hatena

「死ぬこと以外は”かすり傷”」

 ○…半身麻痺や失語症などの障害を抱えながら、ドラマーやウクレレ奏者として活動する。12日に都内で行われた音楽コンテストでは、千人以上の観客の前で演奏。懸命にドラムスティックを叩きながら、深みあるバリトンボイスとユーモアあふれる演出で聴衆を沸かせた。脳梗塞で倒れたとき、「99%の確率で二度とドラムは叩けない」と医師に言われてから8年。ひとつの区切りとなる大舞台の成功に、安堵の表情を浮かべる。

 ○…日産自動車ラグビー部で選手として活躍した後、監督業に専念。20歳のときに掲げた人生設計通り、30歳で横浜から海との距離が近い馬堀町に移り、念願のマイホームを手にした。病に倒れたのは、50代になり起業準備に東奔西走していた矢先のことだった。2人の息子の顔が認識できず、テレビの音声スピードにまったくついていけなかった。「なぜ自分なのか」。万事順調だった人生から一転、まるで一人世界からとり残されたように思えた。

 ○…リハビリのために始めたウクレレは、奇しくも幼少期に習っていたバイオリンと同じ4弦。ほとんど動かない指に辟易しながらも、完璧に演奏しているイメージを何度も頭で繰り返し「脳を騙しながら」曲目を増やしていった。ドブ板でのライブなど活動の幅は広がり、バンド仲間や障害者支援で繋がる人たちからは「ダディ」の愛称で親しまれている。「音楽を介せば、誰とでも意思疎通ができる。”心のバリアフリー”が目標です」

 ○…障害のため、今も定期的な酸素吸入が必要だが、体調に応じて自転車やダーツを楽しむ余裕も生まれた。「不屈の精神はラグビーで教わった。悲しいことがあっても、命さえあればあとはかすり傷みたいなもの」と優しく笑う。今力を入れているのは障害者支援。「自分と同じような人が活躍の場をもっと広げられるよう、今できることを精一杯やりたい」

横須賀版の人物風土記最新6

酒井 俊雄さん

視覚障がい者に向けたチャリティー朗読劇を主宰している

酒井 俊雄さん

佐野町在住 68歳

5月17日

青木 勝さん

今年発足50周年を迎えた「クリーンよこすか市民の会」の会長を務める

青木 勝さん

三春町在住 79歳

5月10日

小野 愛果さん

中学女子ソフトボール都道府県対抗大会で大会MVPを受賞した

小野 愛果さん

阿部倉在住 14歳

5月3日

鶴 ジュンさん

長井の活性化イベント「浜と丘とマーケット」を主催する

鶴 ジュンさん

長井在住 54歳

4月26日

三木 真理子さん

「関根川〜相模湾海中 水の輪つなぎ活動:chotto」の代表を務める

三木 真理子さん

秋谷在住 

4月19日

今野 睦夫さん

横須賀市ラジオ体操連盟を設立し、会長に就任した

今野 睦夫さん

二葉在住 82歳

4月12日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 5月17日0:00更新

  • 5月10日0:00更新

  • 5月3日0:00更新

横須賀版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

横須賀版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月17日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook