週に1度、玄関先を飾る貝の動物たち――。本紙「砂浜で生まれたものがたり」を連載中の角田元さん(68)。週替わりでお披露目している「かいのどうぶつえん」がこのほど、500回の節目を迎えた。毎週作品を発表し続け足かけ10年。「ここまで続くとは思ってなかった。喜んでくれる人がいるからこそ」と感慨もひとしおだ。
自宅の玄関先に据えられたショーケース。「掲示板」と名付けられたここには土曜日になると「今週のニューフェイス」が登場する。お祭りでたこ焼きを作るカエル、射的やボルダリングに興じるウサギ、本物顔負けのカブトガニやクワガタ。ストーリー性溢れるものからリアルなものまで。素材は貝だけ、それも「割らない・塗らない・削らない」をモットーとしてるとは一見信じられないほど、その表情は豊かだ。作品は近所でも評判で、散歩の途中に訪れる人や子どもたちが登下校の間に足を止めたり。近所に住む小学4年生の男の子は「いつも新作が出るのが楽しみ。見ていると嬉しい気持ちになる」と話す。
角田さんが貝殻アートを始めたのは15年ほど前。家族の感想を得て試行錯誤を重ねるうち、次第に自信作も生まれるように。当初は作りためた作品の写真だけを展示していたが、7年前からは新作を欠かさず発表するようになった。「展示すると見にきてくれる方から様々な反応がある。ウケることもあれば『全然似てない』と言われることも。毎週楽しみにしてくれる人がいるのは、作り手にとっては何よりの励み」と角田さん。作品づくりに加え、展示や作り方教室の依頼が舞い込んだりと多忙な日々だが「形になっていないアイデアがまだまだある。千回くらいまでは続けていきたいですね」とほほ笑んだ。
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