逗子・葉山版 掲載号:2016年11月4日号 エリアトップへ

横須賀出身 九里さん 恩師に捧ぐ朗読劇

文化

掲載号:2016年11月4日号

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朗読劇を企画した九里みほさん
朗読劇を企画した九里みほさん

郷土史家、黒田康子さん偲び

 長年、逗子葉山地域の歴史研究を牽引した郷土史家の故・黒田康子(しずこ)さん(享年100歳)が先月一周忌を迎えたのを機に元教え子が朗読劇を企画した。タイトルは「最後の葉書」。黒田さんが戦時中夫と交わした往復書簡を題材に、切なくも淡い恋心を浮かび上がらせる。

*  *  *

 企画したのは横須賀市出身の女優でナレーターの九里(くのり)みほさん(48)。緑ヶ丘女子高校3年生のとき、70歳で教師を引退した黒田さんの最後の教え子だった。写真を常に手帳に忍ばせるなど今も恩師と仰いでおり、「厳しくもあったけど心を開ける、尊敬できる先生だった」と往時を懐かしむ。

 きっかけは昨秋に訃報を知って。最後に自宅を訪問した際、黒田さんから「読んでみて」と手渡された夫妻の書簡をまとめた冊子のことを思い出し手に取った。「今で言うラブレター。先生の恋愛事情は聞いたことがなかったので驚いた」と振り返る。黒田さんは建築学者だった曻義さんと1941年に結婚。だが夫は44年に軍に召集され、31歳の若さで命を落としてしまう。書簡には戦地に赴いた夫へ切ない恋心をしたためる、一人の女性の姿があった。「戦争はもちろんあってはならないことだが、手紙を通じて恋愛を育む、慎ましい幸せもあった。先生の遺したものを多くの人に伝えたい」と朗読劇を発案。家族の了解を得た上で準備を進めてきた。朗読劇は130通近い手紙を抜粋し、一部創作も加えながら読み進める。九里さんは「戦争を体験した人たちの生活や人間模様を感じとってもらえたら」と話している。

 朗読劇は11月12と13の両日。午後2時開演(初日は6時30分開演もあり)。前売り2千円、当日2200円。定員50人。会場は東逗子駅前の「スタジオ955」。予約は氏名、日時、枚数、連絡先を明記し【メール】otonoe2016@gmail.comまで。
 

記念写真に収まる黒田さん(右)(九里さん提供)
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