近代美術の先駆者の1人として知られる萬鐵五郎(よろずてつごろう)(1885─1927)の没後90年を記念した回顧展が、一色の県立近代美術館葉山で始まった。油彩画や水彩画など約400点を一堂に展示し、その画業の全貌を紹介している。9月3日(日)まで。
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萬は岩手県の生まれで、東京美術学校(現東京藝大)に進学。41歳で生涯をとじるまで、晩年を茅ヶ崎市で過ごした。画家としての活動はわずか20年ほどだったが、西洋絵画と東洋の伝統を融合させた独自の世界を表現。ゴッホやセザンヌに影響を受け、キュービスムやフォービスムなど前衛的な表現を採り入れながら「日本のモダニズム」を追い求めた。
大規模な回顧展は20年ぶりといい、同展では代表作「裸体美人」や「雲のある自画像」などを展示。さらに制作の過程を示す素描や資料のほか、版画やこれまであまり注目されてこなかった水墨画にも焦点を当て、特異な足跡を残した萬の創作の原動力を探る内容となっている。
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開館は午前9時30分から午後5時(入館4時30分まで)。月曜休館。入館料は一般千円。
期間中は入門講座「萬鐵五郎と湘南」(7月15日午前10〜11時・町福祉文化会館)、同館水沢勉館長によるギャラリートーク(7月16日午後2〜2時30分・同館展示室)など関連企画も用意されている。問合せは同館【電話】046・875・2800
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