緊急事態宣言が解除され、図書館や学校などが段階的に再開している中、「施設ごとの判断」として、横須賀美術館は休館を続けている。同館は特に市外からの来訪も多く、館内の「3密」対策などの不安もあるためだ。4月25日から始まる予定だった「宇都宮美術館コレクションによるマルク・シャガール展」は、観客を入れることができないまま、6月21日までの会期を終えることになる。
こうした状況の中、「来館は叶わないが、美術館や作品に触れる機会を増やしたい」と、同館では動画やSNSでの発信に力を入れ始めた。まず着手したのが、2月の会期中に休館となってしまった「長沢明展 オワリノナイフーケイ」の動画配信だ。作者の長沢さんが展示中の作品を自ら解説する様子を撮影し、TwitterとFacebookに投稿。これに併せて、YouTubeチャンネルも開設した。Twitterでは所蔵作品の紹介も随時掲載。担当者は「動画や画像でアートを気軽に楽しんで」と話している。
所蔵作品「2次利用」も
一大ブームとなっているNintendo Switchのゲーム「あつまれどうぶつの森」でも同館の所蔵品に触れられる。作品データのQRコードでゲーム上で公開しており部屋の中に飾ったり、キャラクターの衣装デザインとして取り込むことができる。関東圏内の公立美術館では初めての取り組みだという。
また、小中学校の美術教育の教材として同館が製作した所蔵作品の「アートカード」をWeb上で楽しめるサイトも公開している。障害児のワークショップ「みんなのアトリエ」では、自宅でできる造形を紹介。同館のイベントボランティア「すかび隊」もシャボン玉の作り方など「おうちでアート」を楽しめる工夫を発信している。詳細は同館ホームページ【URL】https://www.yokosuka-moa.jp/index.html
シャガール名作web上で
美術作品は著作権などの関係もあり、オンラインでは自由に見ることが難しい作家もいる。シャガールもその一人。同館では、休館の状況が続くことから、企画展で扱う作品のうち数点をTwitter上で公開している。これに加えて「シャガールクイズ」なども投稿し、関心を深めてもらえるよう工夫している。
担当職員は「全ての作品を直に観てもらうことができないのは残念だが、こういった形ではあるがシャガールの絵やその背景に触れてもらえれば。県外への行き来ができるようになった時には、今回の企画展で作品を借りた宇都宮美術館に足を伸ばしてほしい」と話している。
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