10年前に閉鎖され、現在逗子市の遊休施設となっている「旧野外活動センター」=同市桜山=の再生に向け、市民らが本格的な活動に乗り出した。プロジェクト名を「CAMP@逗子」とし、関東学院大学(横浜市金沢区)と協働で連続ワークショップを開催。3月までテーマを変えながら計4事業を実施し、活用策を市に提示する考えだ。
「居住型シェアオフィスに」
プロジェクトの中心は、有志の市民らが組織する「NPO法人逗子の文化をつなぎ広め深める会」(逗子文化の会)。同会は2年前から同センターの活用策を市に提案するなど、再生に向けた取り組みを行ってきた。今回の事業は提案実現に向けたキックオフ的な位置づけで、実施にあたっては三浦半島地域で空き家再生に取り組む同大学の「地方創生大学連携事業」として県の補助金を活用する。
同センターをめぐっては、市は06年まで市民が宿泊しながら野外活動ができる公共施設として運営していたが、有償の宿泊が「旅館業法に抵触する恐れがある」とする県の指導を受け、同年利用を停止。建設から半世紀近く経った建物の老朽化が進み、耐震性にも問題があるとしてその後閉鎖していた。しかし昨年、同会が耐震診断を検証したところ現在の基準値を満たしていることが判明。市と再度協議を行い、一時的に立ち入るための協定を結んだ上で、同大学と連携し実現にこぎつけた。
同会が活用案として構想するのは「居住型のシェアオフィス」だ。建物は元々企業の寮で単身や家族向けの住宅11戸や食堂、会議室などを備えており、建築家や写真家、デザイナーといった創作活動に携わる人の入居を想定しているという。「土地が狭い逗子には主だった産業がなく、新たに働く場所を作ることで経済や文化振興、人口流入にも期待できる」と同会理事の日高仁さんは話す。別のメンバーは「限られた場所で仕事ができるのはクリエイティブ産業ならでは。50年代に才能ある漫画家が集まった『トキワ荘』のようになったら」と青写真を語った。
市も将来的に同会が施設の改修を行う代わりに無償貸与することを視野に入れており、今後本格的な官民連携に発展する見通しだ。
ワークショップは残り2回。あす27日(土)は「ものづくり」、3月12日(土)が「空き家問題」をテーマに催される。詳しくは専用申込みサイトhttps://goo.gl/9zp6Ghまで。
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