昭和から大正期にかけて活躍した日本画家の山口蓬春(1893-1971)が生前自邸として暮らした山口蓬春記念館(一色2320)の画室の補正工事がこのほど完了し、一般公開が再開された。17日には竣工を記念した説明会が行われ、愛好家ら約20人が参加。往時の姿に戻すまでの工程や生前の暮らしぶりについて耳を傾けた。
画室は、東京美術学校(現東京藝大)の同窓で蓬春と親交のあった建築家の吉田五十八(1894-1974)が設計。引き込み式のガラス戸や障子、埋め込み式の照明などに近代数奇屋建築の意匠が垣間見える。これまでも補修は繰り返されてきたが、完成から60余年が経過していたため老朽化が進んでいたという。今回の補正工事では、傾いていた基礎を立て直し、原設計を忠実に再現。色味が変化していた壁を塗り直したほか、床の寄木約1500枚も一度剥がし、職人が全て手作業で貼り直した。同館の加藤慶輝館長は「建物を未来永劫残すため、今回工事を行った。今後も皆さんに愛される美術館を目指したい」と話した。
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