2013柔道世界選手権で金メダルを勝ち取った 高藤 直寿さん 東海大学2年 20歳
「楽しみ方を自分で見つける」
○…「金メダルしか狙っていなかった。自信を持って獲れました」と、国内を沸かせた世界柔道(8月・リオデジャネイロ)の結果にも涼しい顔。一方で「夢の舞台。人生で一番、柔道を楽しく感じた」と目を輝かせた。男子60kg級では1997年の野村忠宏氏以来の王者。実績は言わずもがな、天真爛漫なキャラクターもメディアから注目を浴びた。「取材は今から慣れておかないと」とおどけ、五輪大会への意欲を独特の言い回しで表現する。
○…柔道界の大御所、山下泰裕氏とのエピソードも親しみやすい人柄と周囲の期待を物語る。「先生は温厚で怒ることは滅多にありませんが、僕だけ怒られる。めっちゃ怖い」と首をすくめながら、「『世界一になれ』と温かい励ましをいただいている」と感謝する。
○…栃木県出身。家族の影響で小学1年生から柔道を始めた。姉の出場した中学校全国大会を観戦し、そこで印象に残った県外の東海大相模中(相模原市)の門を叩いた。子どもながらに決断した歩みは、中学校の全国大会やインターハイ、世界ジュニアなど各世代の大会で優勝し、間違いのないことを証明し続けた。
○…「変則的で型にはまらない」と自称するスタイルを築いたのは柔軟な発想と気づきの精神。「常に新しい技と動きを考えている。アドバイスはどうしても上手くいかない時だけもらう」と柔道観を語る。柔道少年少女たちへの助言を求めると、「楽しみ方を自分で見つけることが大事。楽しいことで負けるのは嫌でしょう。自分もそうやって大きくなってきた」と応じた。
○…東京五輪開催決定の報は「釣りに行く車のラジオで聞いた。その頃の自分は27歳。『やった』と思った」。五輪でのメダルに期待も高まるが、「まずは毎年の世界大会に向けてコツコツやっていくのが自分には必要」と気を引き締める。「世界チャンピオンにふさわしいように、人間的にも成長しないと」と誓った。
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