神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
平塚版 公開:2016年3月10日 エリアトップへ

『還らざる夏 二つの村の戦争と戦後 信州阿智村・平塚』を出版した 原 安治(やすじ)さん 御殿在住 76歳

公開:2016年3月10日

  • X
  • LINE
  • hatena

「出会い」溢れる半生

 ○…全国一の満州開拓者を送ったとされる長野県で、NHK時代に出会った阿智村の人々の証言、自身の家族や平塚空襲の体験を記録した本を、戦後70年を迎えた昨年暮れに出版した。幼少時の出来事は断片的な記憶しかないため、空襲を体験した2人の姉から話を聞き、情景を描写。「もし日本人が戦争から何も学ばず、何の教訓も得られないのならば、われわれは永久に『満州の悲劇』の段階に止まることになるのではないか」。現在の安保法制や改憲論議の行方を憂う。

 ○…農家の長男として平塚で生まれ育つ。「家業を継ぐことが宿命と感じていた」と、父と同じ農業高校に進学。授業後はすぐに畑仕事に向かう日々だった。高校3年時に起きた「菅生事件」で、同校の卒業生で元共同通信記者の原寿雄氏の存在を知る。「世の中にはすごい先輩がいる。自分もなりたいと思った」。150人の生徒の中からただ1人、早稲田大に進学。卒業後はNHKに入局した。

 ○…長く番組制作ができたのは、想像を絶する出来事や、人との出会いがあったからこそ。著書を執筆する原点も、入局3年目で当時担当していた番組宛てに届いた、手紙の山からすべり落ちた1枚の絵はがきだった。はがきを機に阿智村の人々と交流が始まり、後に中国残留孤児の存在を世の中に知らしめた番組『NHK特集「再会」――三十五年目の大陸行』のきっかけになった。「50年前の絵はがきは、今思うと偶然ではなく、宿命だったのかもしれない」と話す。

 ○…佐賀県唐津市で農家を取材した時の言葉が忘れられない。「『土』という字は大地と天を表す横の2本線に対して、縦の線である命の芽が突き出ている。『工』という字は線が突き出ない。人工物に命はない。命あるものはすべて土から生まれるのだよ」。農業を大切にしないと、民族は滅びてしまう――。退職してからは父の田を耕しながら、そう切に思う。

平塚版の人物風土記最新6

川口 一正さん

第18回鈴川鯉のぼりまつりの実行委員長を務める

川口 一正さん

岡崎在住 72歳

5月2日

平野 杏子さん

平塚市美術館で「平野杏子展」を開催している

平野 杏子さん

松風町在住 94歳

4月25日

押谷 祐基さん

4月1日付けで第34代平塚商工会議所青年部(YEG)会長に就任した

押谷 祐基さん

市内在勤 37歳

4月18日

小澤 雄一さん

第13代平塚市消防団長に就任した

小澤 雄一さん

南金目在住 58歳

4月11日

永野 亮比己(あきひこ)さん(本名:永野亮彦)

バレエダンサーでミュージカル俳優の

永野 亮比己(あきひこ)さん(本名:永野亮彦)

平塚市出身 38歳

4月4日

窪田 敬一さん

花の国づくり共励会花き技術・経営コンクールで農林水産大臣賞を受賞した

窪田 敬一さん

広川在住 73歳

3月28日

MADOショップ平塚真土店

断熱窓リフォームに、今年も国から補助金あり!

http://kobayashikenso.co.jp

<PR>

あっとほーむデスク

  • 4月25日0:00更新

  • 3月7日0:00更新

  • 1月1日0:00更新

平塚版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

平塚版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月2日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook