前鳥神社の氏子総代を務める 山口 泰三さん 四之宮在住 70歳
地域の鎮守 関心持って
○…「学問の神」菟道(うぢの)稚郎子命(わきいらつこのみこと)など、三神をまつる前鳥神社が鎮座1650年を迎えるにあたり、3年前から鳥居や子供神輿の新調など記念事業を手掛けてきた。式年大祭(9月27日〜)は節目を祝う行事の一つで、真土神社と中原日枝神社の協力を得て20年ぶりに実施する三社合同神輿渡御が華を添える。「大勢で盛大にお祝いできるのは喜ばしいこと。ケガや事故がないことを願っています」と思いを巡らせる。
○…四之宮の鎮守として、周囲の大人が親しみを込めて「お宮さん」と呼ぶ神社は、幼少期には野球やかくれんぼに興じる恰好の遊び場だった。「拝殿と水屋の位置は当時のまま。屋根に上って宮司に怒られたこともあった」と懐かしむ。自身の結婚式や2人の娘の宮参りなど身の回りで起きる祝事のたびに神社を参拝し、家族の安全や健康を祈願した。「お宮は特別な場所ではなく、身近な存在だから」と語る。
○…会社勤めを50歳で退き、両親が営む果樹園を引き継いだ。「苦労だと思えば苦になるから」と、収穫の喜びにやりがいを見つけて、父の背中を横目に見ながら作業を覚えた。自宅の裏で栽培する柿は「美味い」と評判で、過去には市の品評会で優等賞を受賞したこともある。60本の柿の木は今年もたくさんの実をつけ、11月には収穫の最盛期。2〜3トンの収穫量を見込み、「収穫期にお宮の行事がなくて本当に助かるよ」とほほ笑む。
○…約1100所帯の氏子をまとめるにあたり、「小さな子供がお祭りなどの催事に参加しやすい環境の整備や運営を心がけたい」と考える。周辺地域は宅地開発が進み、市外からの転居者も多くいる。人が増えることは喜ばしいとし、「多くの人が地域の神社に関心を持ってもらえたら」と後世に歴史の糸を紡ぐ。
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