4月から「八幡山の洋館」の館長を務めている 鈴木 美都子(みつこ)さん 岡崎在住 80歳
道を切り拓いた行動力
○…今年4月に館長に就任。いきなりコロナ禍に見舞われ、4〜6月は洋館が一般に貸し出せない事態に。「戸惑いだらけだった」と振り返る。洋館の演奏会などに向け、既に準備していた人のために「何か出来ないか」とYouTubeでフルートの演奏やバラの動画配信を行った。
○…生まれは大分県佐伯市。幼少期は「負けず嫌いでおしゃべりだった」と振り返る。田舎で育ったことから「こんなところで埋もれていられない」という気持ちが強く、「大学に行けば東京に出られると思って」と東京の日本女子大学に進学。両親ともに教師の一家に生まれ、父の影響で海外小説を読むようになったことから大学では英文科を専攻した。一番好きな小説はエミリー・ブロンテの『嵐が丘』。持ち前の行動力で「実際にイギリスに行き嵐が丘を歩いてきた」という。
○…25歳の時に結婚して以来、平塚市に住み続けている。3人の子宝に恵まれたが、育児に追われた生活に「悶々とした気持ちがあった」と話す。そんな時に子どもの幼稚園で出会った友人に誘われ、約45年前に全国的に流行していた子ども劇場を平塚でも発足。舞台鑑賞など「子どもと生の芸術を観よう」と親子で音楽会や児童劇を鑑賞するなどして活動した。
○…2004年に知人に誘われ、旧横浜ゴム平塚製造所記念館の保存運動に参加した。その縁で11年4月の開館当時から運営に携わっている。「楽しい職場でないと楽しいムードが作れない」と洋館の雰囲気づくりに努め、自身も笑いが絶えない。「一人でも洋館に来てホッとしたと言ってくれればうれしい」と話す。「若い芸術家の文化発表の場にも使ってほしい。洋館が近代百年を伝える建物になれば」と今後を見据えていた。
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