全国消防救助技術大会で入賞した 奥村 祐太さん 大磯町消防本部勤務 34歳
念願の舞台に「悔いなし」
○…全国の消防救急隊員が、救助を想定した訓練種目で競い合う日本で唯一の舞台である全国消防救助技術大会。県大会と関東地区大会を勝ち抜いた一握りの選手が集う全国大会への参加を目指して約10年。今年8月に念願の初出場を果たした。「他の消防本部では何回か出場したらもう出させてくれない所も多いですが、ここまで続けさせてくれた。ありがたいです」と感謝の言葉で感想を語る。
○…出場した「複合検索救助」は、水中の行方不明者を捜索することを想定した訓練種目。予選ではタイムを競うが、優れた成績を残している選手が集う全国大会では順位はつけず、違反や減点がなかった選手が「入賞者」となる。同種目では、最高位である全国大会へ一度出場すると二度と大会にエントリーできない。まさに最初で最後の泳ぎを「入賞」で終え、「悔いはない」と表情は晴れやかだ。
○…生まれは横浜市で大学進学を機に平塚市へ移る。進学したのはダムや橋を作る土木工学の学部だったが、縁あってライフセービング部に入部したことが自身の人生を変えた。「消防士として活躍する先輩が多かったんですよ。やっぱりカッコよくて、自分もなりたいって自然に思いましたね」と振り返る。大磯町消防本部では、若手は全員救助技術大会へ参加する。練習では勤務明けの疲れた体に鞭打つ日々が続き「若い時は少し『やらされている』感じもあったんですが、大会に出場することで身になる事は多い。若い人たちにも、いろいろな種目に出てほしい」と緊張感ある大会の魅力と価値を語る。
○…趣味はサーフィン。社会人となり家庭を持った今も「ちょこちょこ行けてる」と時間を作っては海に通う。家族は夫人と娘2人。一般的な会社員とは違い救急隊員の勤務時間は特殊だが「その分休みの日は娘とはたくさん遊べているかな」と微笑むと、背筋を伸ばした救急隊員の顔から優しい父親の顔になっていた。
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