デイトン市姉妹都市協会大磯担当会長を務める ウイリアム ブリンク ハリソンさん オハイオ州デイトン市在住
交流は「face to face」
○…初めて訪れた大磯に「海があり、山もある。とても住みやすいところ」と目を細める。大磯町とデイトン市の姉妹都市交流は今年で46年目。大磯町からは隔年で高校生が渡米していたが、デイトンからの留学生が来日するのは13年ぶり。「お互いに顔をあわせ、直接触れ合うことはとても大切。学生たちが日本の良さを知ってくれれば、本当に嬉しい」と満面の笑み。
○…「日本語を使うのは10年ぶりくらい」と笑うが、流暢な言葉はブランクを感じさせない。箸を巧みに操り、正座もできる。太鼓や生花もたしなみ、夫婦で四国のお遍路を歩いたこともある日本通だが、「妻と結婚するまで日本の事はあまりよく知らなかった」という。大学の同級生だった夫人は、学生時代に日本への留学経験があった。大学卒業とほぼ同時に結婚し、夫人が日本学研究の博士号習得のために来日した際、ともに日本に移り11年を過ごした。「日本語学校にも通ったけれど、あまり上達しなかったなぁ」と苦笑する。
○…アメリカではデイトン大学の数学教授として教鞭をとる。「数学は問題の解き方はいくつもあるけれど、答えは必ず一つ。分かりやすいから好き」とうなずく。「日本もアメリカも数学が嫌いな人は多い。だから私は常に学生たちに『数学は誰にでもできるものなんだよ』と話している」。解き方が分かり、答えを導きだした時、頭の中に明かりがつくような「嬉しさ」を多くの若者に伝える。
○…今年は結婚して40年の節目。「日本で生まれた」という長男と次男は成人し、2人の孫がいる。マサチューセッツに1週間家を借りて、家族が集う夏のバカンスは毎年の楽しみ。「長男が生まれた時から始めた」という料理は、中華、インド、韓国、メキシコなど様々な国の味を再現できると胸を張るが、「日本料理の味だけはなかなかできない」とうなる。日頃教壇に立つ大学教授も、繊細な和の味覚は「勉強中」だ。
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