中井町教育委員会教育長に就任した 岩本 明人さん 中井町在住 62歳
大人がモデルとなれる町に
○…「子どもたちが『あんな風になりたい』と思える人が少しでも多い中井町になるよう努めたい」と開口一番抱負を語る。情報が多様化する社会で子どもが理想の大人像を明確に示すことが難しい中、子ども自身が取り巻く自然や人、社会環境の中で等身大のモデルを創造する時代ではないかと考える。「何年かかるかわかりませんが、保護者や先生、町民が『こどものために何をしたらよいか』考える機会をつくりたい」と優しくほほ笑む。
○…教職一筋約40年。1976年から二宮町内の中学校に赴任、足柄ふれあいの村事務次長などを経て、二宮中学校長として定年を迎えた。一番鮮明な思い出は退職する年の卒業式。式次第では予告されていなかった「校長先生への感謝の言葉」を卒業生が読み上げた。「これまでのことがよみがえり、言葉では言い表せない気持ちになった。この子たちに直接恩返しはできないが、これからも子どもの教育のために役立てればと思った」と振り返る。
○…教職を目指したのは「小中学生のときに”やんちゃ”で先生に迷惑かけたから、その分お返ししようかと。それにいたずら坊やの気持ちがわかるかと思ったから」と頭を掻く。多感な中学生と向き合う中ではさまざまなことがあったが、「ぶつかるのは当たり前」ときっぱり。不登校の生徒と一緒に勉強し、学習に悩む生徒は釣りに誘ってみる…「結果がどうでも、場所や時間、実行したことは消えない。子どもに寄り添い、どう考えるかを提示するのが教員」と話す。
○…生まれ育った中井が「とっても好き」。温暖な気候と美しい緑、水、そこで育った人、と言い出したら止まらない。「自然だけでなく、メガソーラーなど技術振興も行われる調和のとれた町と子どもたちに語りたい」。両親、妻と4人暮らし。子どもと孫にはなかなか会えないが「町の子どもが自分の孫のようですよ」と目を細めた。
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