二宮高校・相模人形部の部長として全国高等学校総合文化祭に出場する 長谷川 嶺志さん 平塚市在住 18歳
周りへの恩返し誓い いざ全国へ
○…すべては支えてきてくれたみんなのために。周囲の応援を胸に刻み、今月10日、富山で開催される全国高等学校総合文化祭の舞台に立つ。人形浄瑠璃を演じる県立二宮高校・相模人形部は、昨年12月の神奈川県予選を4年ぶりに突破し、見事全国への切符を手にした。「出場が決まったことで、学校や二宮町からさまざまな支援をしていただきました。本番で100%の力を出し切れるよう今は最後の追い込み中です」と語り、汗びっしょりになりながら練習に明け暮れている。
○…2、3年生合わせ部員12人を牽引する立場にあるものの、実は人形浄瑠璃を始めて1年足らず。伝統芸能を志すようになったのも偶然だった。昨年9月、相模人形部の顧問であり当時の担任だった岡部道生教諭から、「老人ホームで公演するのに人手が足りないから手伝ってくれ」と頼まれたのがきっかけだ。右も左もわからない状況での芝居だったが、「お年寄りの中にはぼくらの演技を見て涙する人もいた。最後の拍手で人形浄瑠璃を演じる楽しさを知った」という。また、幼い頃から両親がサーカスや演劇などに連れて行ってくれ、観客を魅了する素晴らしさを肌で感じていたことも入部を後押しした。
○…今年1月、部員たちの厚い支持を得て部長に就任。全国大会で演じる「怪童丸物語 下鴨神社の段」では、主人公で幼少時代は金太郎として知られる怪童丸を中心になって操る主遣い(おもづかい)という大役を担う。物語の見せ場となる怪童丸と大ムカデの対決は、部員たちと共に国立劇場に足を運んで歌舞伎の立ち回りからヒントを得てまとめあげた。
○…普段は、友達とカラオケで盛り上がるごく普通の高校生。しかし、今はちがう。見つめる視線の先には全国大会での成功しかない。学校や町、両親、自分を信じてついてきてくれた部員たちのため、本番は最高のパフォーマンスで会場を沸かす。
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