大磯町立国府小学校のPTA会長として同校の創立140周年記念行事を取り仕切る 浅井 嘉彦さん 大磯町虫窪在住 57歳
舵取り役は多才な武道家
○…会長を務めて2年目。就任するまでPTA活動にほとんど参加していなかった。「ある日突然、役員さんが5人くらい来て依頼されてね」と振り返る。就任して感じたのは、協力してくれる母親たちの頑張りだった。恒例のバザーの前には、連日朝から晩まで準備に追われた。限られた予算のなか手弁当で身を粉にする姿を目の当たりにして「自分も何かできることを」と心を切り替え、教育現場に全力で向き合う。
○…記念講演では多数の受賞歴を持ちテレビにも出演する詩人のアーサービナード氏を招く。詩集の出版で仕事をした縁でビナード氏とは旧知の仲だ。雑談の中から「子どもたちに講演を」という話が出てビナード氏も二つ返事で了解。新規事業では開催が来年になってしまうため、記念行事として開催することに。「毎回とてもいい話をしてくれるので、大磯町外にお住いのお子さんやお母さんもぜひ聞きに来てほしい」と広く参加を呼び掛けている。
○…PTA会長のほか出版企画会社の代表取締役、日本空手協会西湘支部支部長、ビール醸造研究家と多彩な肩書を持つ。大学から本格的にのめり込んだ空手では、古流の空手を学ぶため単身アメリカの師範達を訪ね7年間の修行。旅先で知った地ビールの美味さに惹かれ、帰国後はビール醸造も研究。全国から仲間が集まり自家醸造ビールの味比べをする箱根ビールキャンプの発起人となり、開催は今年で12回を数える。
○…いじめなど教育現場が抱える問題について「教員にもっと余裕を持たせるべき」と話す。「問題が発覚すると第3者が『何が悪い』と白黒つけたがるけれど、クラスを一番わかっているのは子どもたち」。その声をしっかり聴きとれる余裕がなくなるほど、教員たちは疲れていると警鐘を鳴らす。「町へも強く呼び掛けていきたいね」。一人娘の親として、教育現場に携わる者として、学校を見つめる視線は熱い。
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