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「その日から 子供の戦争・戦後体験記」を出版した 寺井 稔さん 二宮町百合が丘在住 78歳

公開:2014年3月7日

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戦火の記憶 一冊に

 ○…「毎年3月10日が近づくと、東京大空襲や疎開など子どもの頃を思い出します」。胸にこみ上げる様々な思いを噛みしめるように穏やかに語る。小学校2年生だった昭和20年、家族で住んでいた東京都日本橋区(現在の中央区北部)は東京大空襲で大きな被害を受け、自身も家を失った。「風の強い日で、火の粉が吹雪のように渦を巻いていた」。凄惨なあの日の記憶は、著書のなかでも綴られている。

 ○…2年前からブログで思い出話として書いていた戦争体験記。「読んだ方たちから『自分も疎開した』と感想をいただいて、何か形にしたいと思って」と1年8カ月をかけて一冊にまとめた。物語は寺田正夫という少年が戦中戦後をたくましく生きる姿を描く。空襲、疎開、開拓地での農業など、当時の人々の息遣いまで伝わるような丁寧な描写が読者を引き込む。

 ○…高校卒業後、東京の大学に進学。卒業が間近に迫った時は、ちょうど団塊の第一世代が入学する時期と重なり、大学から「講師が足りないから残らないか」と誘いを受け二つ返事で快諾。「人生には時の運というか『波』みたいなものがあって、上手く乗れると物事がすんなり進む」と笑う。大学では天気が与える影響の研究に携わりパソコンなど最新機器にも明るい。手元の携帯端末の画面をなぞる指先も滑らか。水や空気の自給システムで宇宙関連の仕事も経験した。「最先端の世界はついていくのが大変で、今はもう引退」と、人生の波を満喫してきた。

 ○…世界から戦争を無くすために重要なのは「教育」と力を込める。「私もあの当時は竹ヤリの練習をしていた。国が他国を敵と教育することは、とても影響がある」と戒める。「相手を信じること、自分がやられて嫌なことはやらないこと、当たり前のことですが、それが大切なんです」。激動の時代を生きた語り部として、争いの無い理想の世界を叶える鍵を本に託し、次世代に示す。

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