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「谷戸川渓谷をきれいにする会」の会長を務める 渡辺 道子さん 大磯町西小磯在住 59歳

公開:2017年4月21日

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谷戸川の清流 後世に

 ○…大磯の生沢駐在所から、自動車1台がやっと通れる山間道を黒岩方面に進むと聞こえてくる、野鳥のさえずりと清涼感ある水のせせらぎ。民家も途絶えた緑深い渓谷の先に、活動のフィールドがある。不動川に注ぐ支流の谷戸川で、「自分たちでできる範囲」と決めて月に2回、ごみ拾いや間伐などの環境整備を続ける。

 〇…初めて谷戸川を訪れたのは4・5年前。「崖のような壁の間を川が流れる姿に、ここが大磯とは思えない深山幽谷の雰囲気を感じました」。しかし眼下の清流とは裏腹に、倒竹と不法投棄の粗大ごみが渓谷を覆い隠すように折り重なり、せっかくの景観は台無しだった。「この川は大磯の財産になる。じゃあ、私たちの手できれいにしよう」と思い立ち、有志3人で会を結成。ハイキングやサイクリングロード、自然観察の場として親しんでもらおうと、慣れない河川整備のボランティアが始まった。

 〇…自動車のドアやタイヤ、ワープロなど、これまでに回収したごみは目を疑うようなものばかり。竹の伐採ものこぎりで行うなど一苦労だが、「好きでやっていることだから楽しくて楽しくて。ぜいたくな大人の遊び場を与えてもらった感覚です」とにこやかに笑い飛ばす。会を運営するうえで行政の協力にも助けられているといい、「不満や文句を言うよりも、まずは提案。住民が率先して動き出せば、町も動いてくれると知りました」。実践こそが、問題解決の端緒だ。

 〇…17年前から大磯に住み、夫と3人の子どもと共にランニングを愛するスポーツ一家。海岸近くに暮らす縁から地引網グループ「台舟」のメンバーにも加わり、世代を超えた早朝の交流で心地よい汗を流す。「歩けば歩くほど、素敵な出会いがある。それが大磯の面白さです」。南に目を向ければ紺碧の海が広がり、内陸にはなだらかな丘陵が続く。地元の自然を、全身で受け止める。

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