二宮町で初の「第九」公演を指揮する 諸遊 耕史さん 調布市在住 48歳
地域に音楽文化の定着を
○…地元合唱団による二宮町初の第九公演を1月19日にラディアンホールで指揮する。オーケストラも含めると120人もの出演者が舞台に上がる大所帯。「地域色が出やすい第九を二宮で公演したらどうなるかを楽しみにしていてほしい」といたずらっぽく微笑む。
○…群馬県高崎市の出身。足踏みオルガンをおもちゃ代わりに遊び、小学校からピアノ、地元の児童合唱団にも所属するなど音楽は身近な存在だった。中学・高校と吹奏楽部に所属したが「楽器よりもスコア(総譜)を眺めてオーケストラを想像するほうが好き」で自然と指揮に興味が向いた。転機は高1の夏。音大の夏季講習に参加してみると「音大に入ってから学んだのでは他の人たちに遅れてしまう」と気付いた。親を説得し月2回、週末に電車で東京へ通い、3人の教師から音楽理論やピアノなどを学んだ。無事、音大へ入学し卒業後は指揮の勉強を続けながらアマオケの指導やオペラの副指揮などを務め、劇団四季でミュージカルの指揮も経験した。
○…昨年6月にラディアンで催されたオペラ「カルメン」の指揮をした縁で「第九」のオファーを受けた。合唱初心者もいる中で「宝くじに当たった気持ちで」「今度は前後賞にも当たっていた気持ちで」などわかりやすい言葉で演者の感情を引き出す。「求めているものを出してもらうために、どうコミュニケーションを取るかが棒振りの仕事。難易度の高い曲だが絶対に成功させて、この地域の文化活動として定着させたい」と思いを語った。
○…合唱指導で二宮を訪れた時には「地元の飲食店に入るのが楽しみの一つ」。自身も日常的に料理をするが「時々、奥さんが好きな料理を出すのが夫婦円満のコツ」と家庭でも指揮者らしい細やかな配慮を欠かさない。
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