第27回にのみや観光フォトコンテストで最高賞の推薦に選ばれた 近藤 俊夫さん 二宮町山西在住 73歳
自然愛が織り出す審美眼
○…にのみや観光フォトコンテストで、吾妻山の榎をまたぐように二重虹が架かった瞬間をとらえた写真が最高賞の推薦に選ばれた。撮影したのは昨年8月19日、自身の誕生日だった。「毎朝『今日はどんな風景が見られるか』と楽しみに吾妻山を登っている。この景色は自分へのプレゼントのようでした」
○…山梨県出身。平塚市の全農センターに就職し、農薬剤に関わる企業へ出向。その後農薬が作物に与える影響などを調査し、農業を支える研究をする日本植物防疫協会で、理事として67歳まで勤め上げた。「技術を裏付けに進める仕事に憧れていた」と振り返る。
○…写真は仕事仲間とマイペースに楽しんでいたが、転勤で長野に住んだことから夢中になった。休日に戸隠鏡池、小谷村などに何度も訪れ、四季の移り変わりを撮影した。写真は自分史として場所ごとに1冊にまとめている。日の出や夕焼けを写した作品群も多く「光は風景を変えてくれる。撮っていて飽きない」と語る。
○…退職後に二宮で新しく家を建て、妻と2人で暮らす。「景色を買う気持ちで選んだ」という自宅は、妻と相談して内装などすべて設計した。4年ほど前から写真愛好団体・二宮シャッタークラブに所属したり、毎朝6時に吾妻山公園で町民の体操の集まりに参加し「好きなことを通じて出会った人との繋がりが、生活にメリハリをくれる」とほほ笑む。
○…先日、息子からの誘いで妻と3人で北アルプスの立山に行った。「妻と『最後かもね』と話したが、もう一度行きたい」とにこり。「同じ風景を撮るのは、何度も訪れることで新たな発見があり、愛着が湧くから。それが楽しい」。まだ見ぬ景色との出会いを求め、歩みを進める。
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