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小田原市職員被災地レポート【3】 住民に寄り添う復興を 宮城県多賀城市・中道和徳さん

公開:2013年11月2日

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宮内地区・八幡神社付近での試掘現場立ち合い
宮内地区・八幡神社付近での試掘現場立ち合い

 小田原市役所の中道和徳です。私は今年の4月から多賀城市役所の建設部市街地整備課に派遣されています。市内でも津波・地震被害が甚大だった宮内地区で、区画整理による復旧・復興を手伝っています。

 区画整理は、不整形な土地の整形、電気・ガス・水道といったライフラインの整備、道路や公園などの公共用地の整備を行い、今まで以上に住みやすいまちづくりを進めています。

 多賀城市の区画整理は行政主導ではなく、主役はあくまで現地で生活を再建する被災者の皆さんです。震災直後の、復興に向けた手法を決める段階から地元住民の方の意向調査を行い、説明会を何度も重ねることで、地権者の同意を100%得て区画整理が進んできました。

 事業開始決定後も、ほぼ月に1度のペースで説明会を開いています。スケジュール等を伝えると同時に、地権者の皆さんの考えや不安を聞きながら、一丸となって事業にあたっています。意向調査では、アンケートの送付・回収だけでなく、個別の相談会で、被災者の方々の胸の内を聞かせてもらいました。私も相談会に同席し、何人もの被災者の方と話しました。震災当時のことを思い出すのも辛く市役所まで来られない方、当時を思い出し涙ぐむ方、忘れることはできないものの将来を見据えて明るく振る舞われる方と、一人ひとりの「現在」がありました。

 印象に残っている話の1つに、住宅再建のために支援金を受けるときの基準についての話があります。基準には、建物の被災規模が「全壊」、「大規模半壊」、「半壊」のうち、どの判定を受けたか、というものがあります。当然、被害の規模が大きいほど支給される支援金の額も大きくなります。Aさんは、3階建の住居が「大規模半壊」と診断されました。この方の家のある地区は、4mの津波被害に遭い、2階建の近隣住宅は「全壊」判定でした。そのため、Aさんは差額分を自己資金で負担し、住居を再建しなくてはならなくなりました。当然、建物は「残っている」というだけで、近隣の方とほとんど変わらない状況です。とても人が住める状態ではなく、補修して住めるようにするには、多額の資金が必要です。行政として、どこかで線を引かなければならない、ということは理解出来ますし、当然のことだとも思います。ただ、実際の被災者の声を聞くと、とても納得できる理由ではないと思い知らされました。

 また、震災前はアパートなどの家賃収入で生活していたが、震災により収入がなくなった方もいます。こういった方たちも、区画整理事業への協力のため、再建を先に延ばし、これまでの貯蓄で生活しながら事業の早期実現を待ってくださっています。

 まだまだ多くの方がやむなく不自由な生活を余儀なくされている現状に、自分に出来ることは本当に限られているということを再認識しました。改めて、被災者のために事業を一刻も早く進めなければならないと感じ、日々仕事に取り組んでいます。
 

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