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知って得する"慢性肝炎"の知識 「肝がん」を予防するためには

公開:2014年10月11日

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 日本の肝がんによる死亡者数は2000年まで急激に増加し、約35000人にせまっており2010年の男性の死因の第4位、女性の死因の第5位に位置している(図1参照)。肝がんの原因では、C型慢性肝炎が約7割を占め、次いでB型慢性肝炎が約2割、残りがその他の肝炎となっている(図2参照)。そこで今回、この地域の医療を支える小田原医師会に肝がんの原因となる肝炎の種類や治療法について話を聞いた。

主な肝炎の種類(図3参照)

B型肝炎

 1970年代以後、血液中のB型肝炎ウイルス(HBV)を検査出来るようになり、採血の成分(HBs抗原/抗体、HBc抗体、HBe抗原/抗体)を測定し病態を把握することが出来るようになりました。

 3歳以下の乳幼児期に感染すると慢性化しやすく、母子間感染が最も多い経路です。感染力が強く、幼少期に同一針でのワクチン接種で感染した例も社会問題になっています。また最近では、成人間の性感染症(STD)がやや増加傾向にあります。

 ワクチン接種で感染・慢性化を予防できます。血中のHBVが一度安定した状態(キャリア)になっても突然変異を起こして再び肝炎が悪化する事があるので、治癒したと判断されていても定期的に検診する必要があります。

C型肝炎

 現在、日本国内で最も感染者が多いC型肝炎。1990年代、C型肝炎ウイルス(HCV)を血液で検査できるようになりました。日本国内のC型肝炎の患者数は約150万人(図4参照)と言われていますが、HCV感染発見の契機とされているのは、検診・人間ドックや献血が約7割、他の病気の時にたまたま見つかるケースや、倦怠感などの自覚症状で見つかるケースがそれぞれ約1割、残りが急性肝炎からの経過観察です。また、(覚せい剤など)注射針の使い回しや刺青、中国針治療などで血清を介して感染することも明らかになっています。

 肝機能異常が長期間持続することで肝硬変へ進展し、肝がんの発症にいたる事が多いため、根治を目指したインターフェロンなどによる治療の対象となります(図5参照)。

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)

 近年増加しつつある栄養過剰に起因する肝障害で、軽症であれば脂肪肝といわれる程度でとどまっていますが、重症の場合は急性肝炎を引き起こしたり、肝硬変や肝がんに至るケースが増えています。特効薬はなく、過食の是正と運動療法が治療の要となっています。

Q&A

Q、なぜ、肝炎の検査を受けた方がよいのでしょうか?

A、C型肝炎ウイルス(HCV)やB型肝炎ウイルス(HBV)に感染すると、急性肝炎のときには黄疸や倦怠感などの症状を認めることがあります。しかし、慢性肝炎になってしまうと通常はほとんど自覚症状がありません。感染に気がつかないで放っておくと、数年から数十年で肝硬変に進展し、慢性肝炎の状態から年間1〜8%の割合で肝がんを発症します。こうした肝がんの発症を防ぐために慢性肝炎を治療する必要があります。

 小田原市などの自治体では「節目検診」として、5歳きざみでHBV、およびHCVのチェックを受けられる検診制度を導入しています。是非この検診を利用してください。

Q、 肝がんを心配する目安はありますか?

A、HCVが感染している期間(罹患期間)に関わらず、60歳を過ぎると肝がんの発生頻度が高くなる事がわかっています。肝機能(ALT値)が正常範囲内であっても肝臓の病態が進行している事があります。

 肝硬変へ移行しているかどうかも肝がんの発生に大きく関わっているので、肝硬変になっている場合は十分な注意が必要です。一般には、採血による肝機能や血小板数、腫瘍マーカー(AFP、PIVKA2)検査、画像検査(腹部超音波、CTなど)を定期的に行い早期の発見に努力します。

慢性肝炎(C型B型)の治療

1、 肝炎の状態を落ち着かせる目的の治療法(対症療法)

……古くから日本では、注射薬(強ミノC)や漢方薬(小柴胡湯(しょうさいことう))などの治療法が多く用いられてきていますが、慢性肝炎を根治する事は出来ないため肝がんの抑制には不十分です。

2、肝炎ウイルスを排除して肝炎を根本的に治療する原因療法(根治療法)

……1990年代からインターフェロン注射による治療が行われるようになりましたが、当初の治療成績は非常に低いものでした。しかし、インターフェロンの改良と内服薬を組み合わせることで根治できる割合が飛躍的に向上。さらに本年9月には、インターフェロン注射を用いず内服薬(2剤併用)のみで95%以上の治療成功率を達成できるようになりました。B型肝炎に関しても、次々と内服抗ウイルス薬が開発されています。

 しかし、こうした肝炎根治治療には高額な医療費がかかるため、現在、国は肝炎治療に対する医療費助成制度を導入しており、必要な手続きを行うことで治療が受けやすくなっています(地域の保健福祉事務所で対応)。C型肝炎がなくなる日は目前にせまってきています。B型肝炎はまだ完全に治癒する事は難しいですが、いずれ根治に至ると期待されています。

 将来、肝炎で問題になるのは、おそらくNASHであると思われます。メタボリック症候群に代表される過食・過栄養をいかに克服できるかが鍵となり、近年、腸内細菌の関与もクローズアップされつつあり治療の手がかりとなりそうです。

相談窓口を開設

 小田原地域では現在、肝炎を含めた市民からの健康相談を「小田原医師会 地域医療連携室」で受け付けています。日曜祝日以外は電話で対応しています(【電話】0465・47・0833)。困った事があればお気軽にご相談ください。
 

一般社団法人 小田原医師会

神奈川県小田原市久野115‐2 おだわら総合医療福祉会館4階

TEL:0465-35-5677

http://www.odawara.kanagawa.med.or.jp

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