小田原市水道局から、多賀城市の市街地整備課に派遣された中道さん。震災後、多賀城市の定めた土地利用方針に則り、被災者の居住意志や企業の再建意向を踏まえた区画整理を行っている。2年前の着任時、地権者との合意形成とまちづくりの基本方針を固める段階だった復興計画は、10回以上に及ぶ説明会を経て、間もなく造成工事に着手する段階まで進行している。
早期復興のため少しでも早い事業の進捗を願う一方で、被災者の希望を汲んだ町づくりなくして本当の復興は為しえないのでは、と「いまだに接し方や自分のやるべきことに悩んでいる」ともらす中道さん。
名刺に書かれた「小田原」の地名に親しみを見せる人も多く、遠方からの派遣を労ってくれる「温かみがうれしい」と、2年間で培った現地の人との関係をうれしそうに語る。
災害公営住宅の建設も順次進み、「1年後には目に見えて景色が変わるはず」と、形に現れはじめた復興に、手ごたえを感じている。
東日本大震災の発生から丸4年が過ぎた。小田原市では2011年11月から、被災地へ復興応援職員を派遣している。2013年度から宮城県多賀城市に出向している中道和徳さんに、派遣から2年を経る多賀城市の様子を聞いた。