日本塗装工業会神奈川県支部(長谷川秀樹支部長)と神奈川昭和会(大石猪一郎会長)は4月23日、扇町の小田原少年院(宮崎誠院長)で社会福祉奉仕活動を行った。
県内の塗装工事業者や塗材メーカーらが組織する両団体の共催企画。1979年から33回にわたり、高齢者施設や児童養護施設で塗装ボランティアを実施してきた。
今回は職業体験型として、出院を間近に控えた少年らに19人の会員が施工のノウハウを指導。大正時代に建築された教室棟を共同作業で塗り替えた。「下塗りだからといって適当はダメ。仕上げるつもりで」とアドアイスを受けながら真剣な表情で黙々と作業にあたっていた少年のなかには、会員との完成度の違いに首をかしげる姿も見られた。
少年院での活動を企画した神奈川昭和会の清元秀さん((株)フジミ・本社/市内鬼柳)は、「今回の経験が出院後の社会復帰に少しでも役立てば」と話していた。
4月23日現在、同院に収容されている少年は86人。非行事実は窃盗、傷害、強盗などで、特に近年は振り込め詐欺といった特殊詐欺が増加傾向にある。また、半数以上が複数回の収容歴があり、実父または実母のみのひとり親家庭で育った少年が多いという。