ハナマサの社長・河野精一朗さん(46)が、東京ドームで2月17日まで行われていた国内最大級のらんの祭典「世界らん展日本大賞2017」のフラワーデザイン部門(60余作品)で3位の優良賞を獲得した。最優秀賞を逃した悔しさもにじむが、受賞に「きちんと3位に入賞できて、結果をハナマサに持って帰れてよかった」と話した。
冬場でも緑の葉をつけ生命感を感じる松の枝をおき、前後に3枚のアクリル板をたてた。宙にふんわりと浮く鮮やかで軽やかなサークルは河野さんの代名詞。作品全体に、コチョウラン、カトレア、オンシジウムなど約10種のランを生け込み、花は100%ランを使用した「らん展の作品」に仕上げた。
これまで2次元の作調が多かった河野さんだが、今回のコンセプトは立体感。大小のランのサークルを巧みにずらしたり、アクリルで分断されるはずの松の枝を手前に突き出してみたり、最下部にあるサークルをアクリルに合わせて立ち上げてみたりと、見る角度によってさまざまな変化を楽しめる3次元の作品だ。過去3回の出場では奨励賞にとどまったが、今回は一歩前進した。
河野さんは「10年間こだわってやってきたフラワーデザイン。これからも多くの大会に出てスキルアップしたい。どんな大会でも入賞し、そこで得た表現はお客様に還元していきたい」と話した。