文化庁の文化審議会は6月15日、国指定史跡「小田原城跡」に「小峯御鐘(こみねおかね)ノ台大堀切東堀(のだいおおほりきりひがしぼり)」の西側隣接箇所を追加指定するよう文部科学大臣に答申した。
小田原城址跡は、1938年に初めて二の丸と三の丸の一部が国の史跡に指定されている。追加指定はこれに関連する遺構等で、市の具申書に基づいて審議・議決される。小田原城跡の追加指定は11回目。2006年以降では9回目になる。
追加指定された箇所は小峰配水池の南側にあり、面積は約624平方メートル。市文化財課では「城下町を取り囲む延長9Kmの総構の一部で、土塁や堀、掻き揚げといった総構の遺構が良好に残っている場所」と説明している。
市では10年に、「史跡小田原城跡八幡山古郭(こかく)・総構(そうがまえ)保存管理計画」を策定。戦国期の小田原城遺構と、小田原合戦(1590年)を前に構築された総構の保存・管理と活用の基本方針を定めている。計画の中でも、今回追加された箇所は、重要度が高い遺構に位置付けられている。
史跡指定を受けた場所には民間所有地もあり、市では公有地化を進める方針を示している。